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中国
【省エネ・環境】

三峡ダム地区の生態系統建設プロジェクトがスタート (07/08/02)
2007/11/2
中国【省エネ・環境】

中独共同の三峡ダム地区・持続可能生態系統建設プロジェクトがスタートした。中国側は、国務院三峡工程建設委員会ダム管理司と重慶市科学委員会を中心に、重慶大学、同済大学、水利部・水工程生態研究所、中国環境科学研究院、華中科技大学等が参加し、ドイツ側は、ユーリッヒ研究センターを筆頭に、いくつかの大学や研究機関が参加して、主に三峡ダム貯水後のダム地区の水環境の変化、ダム地区周辺の陸上に対する生態的影響の変遷など、基礎研究を進めて科学データと基礎資料を積み重ねた上で、ダム地区における水環境の複合汚染を抑制する中核技術について研究を進めることになる。

三峡ダムは、洪水防止、発電、水運などの経済効果が次第に顕著になる反面、ダム地区と長江流域の生態環境に対する影響も徐々に顕在化しつつあり、特に水環境は厳しい状況に直面している。こうした問題について研究を進め、今後の拡大傾向とそこから生じる結果を正確に予測して、科学的な対応措置を打ち出さなければならない。そうしないと、三峡プロジェクトの総合効果に影響を及ぼすだけでなく、ダム地区及び長江中流・下流域全体の生態環境に深刻な脅威をもたらし、さらには地域の経済建設と社会の安定に対しても計り知れない悪影響を及ぼすだろう。

水質の変化に起因する生態環境の悪化や健康への危害などの悪影響についてはまだまだ研究が乏しい。三峡ダム地区の変化の規則性を明らかにすることによって、同地区の水環境汚染や地すべり、生態環境回復など重要問題を解決する上で、不可欠な理論と鍵となる技術が提供されるだろう。今回のプロジェクトがスタートしたことで、三峡ダム地区のみならず、中国の他の地域にとっても、環境保護や汚染管理の面で貴重な経験が蓄積されると期待される。

(中国鉱業網 8月2日)