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中国
【石炭】

中国が政策を緩和して米国炭の輸入を図ろうにも依然として先行き不透明 (18/06/08)
2018/6/8
中国【石炭】

 消息筋によると、中国は米国から石炭輸入を増やすことで米国の対中貿易赤字を減らそうと計画しているが、そのため石炭市場の不確実性が続くことになる。市場関係者はこの計画を効果的に進める上で解決すべき問題は数多いと指摘する。

 現在、中国の米国炭に対する関税率は3〜6%であり、しかも中国の原料炭輸入の中では米国炭はごく一部でしかない。中国が米国の原料炭を購入するのは、国内炭や豪州炭等に比べて価格面で競争力を備えているからである。

 一方、米国の石炭企業は必ずしも中国へ販売したいと思っているわけではなく、価格が高い方に売るだけである。中国が最優遇価格を提示しければ、米国の石炭企業が中国への販売を迫られることはない。

 一部の鉄鋼メーカーは米国炭に対する輸入関税を撤廃することを提唱している。

 オーストラリアは世界最大の原料炭輸出国であり、インドネシアは重要な一般炭輸出国であるが、これらの国々は中国とFTAを結んでおり、石炭輸入関税は撤廃されている。

 米国炭がもし輸入関税を撤廃された場合、関税を納めなければならないカナダ、ロシア、モンゴルに比べてコスト面の競争力が大幅に強化される。

 しかしながら、一部の関係者はこの点について懐疑的に見ている。FTAは一般に実施に到るまで数年間を要し、特定の品目ではなく、幅広い商品やサービスを対象にするものだからである。

 もう1つの選択肢は中国が強制的な措置を取って、エンドユーザーに米国炭の購入を義務付けることである。しかし、それには業界団体の支持が必要である。

 もっとも、この目標を実現するためどのような手段を取るかはなお不確実であるものの、中国にその意向があれば、取るべき方法もあるとあらゆる人は考えている。

 複数の消息筋によると、もし政府が米国炭の輸入量を増やすことに成功した場合、一般炭に及ぼす影響は原料炭に対する影響よりも大きくなる。

 その理由の1つには、米国の一般炭のコストに占める輸送コストの割合が原料炭よりも高いことが挙げられる。

 なお、鉱業資源関係者によると、米国の一般炭は硫黄含有分が高く、中国市場の望むものではないとのことである。

 (我的煤炭網 6月8日)