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中国
【石油・天然ガス】

米中貿易戦争がエスカレート 中国が天然ガスも追加関税対象に (18/06/19)
2018/6/19
中国【石油・天然ガス】

 6月15日、米国政府は中国からの輸入品に対する追加関税品目リストを発表、中国国務院もこれに迅速に対応し、米国からの約500億ドルの輸入商品659品目に25%の追加関税を課すことになった。うちエネルギー品目には天然ガスも挙げられている。

 ここで言う天然ガスは、中国が通常米国から輸入する液化天然ガス(LNG)ではなく、ガス状天然ガスであるが、中国は米国と太平洋で隔たれており、天然ガスを輸入するには天然ガスを液化した上で中国沿海港湾に輸送するしか手立てがない。

 然るに、仔細に見ていくと、米国は中国とは異なり、LNG市場がなく、米国の天然ガスを購入する場合、買主は一般にHH(Henry Hub)価格に基づき、液化コストも支払う。そのため、中国が米国原産のガス状天然ガスの追加関税を課す場合、米国から輸入するLNGに25%の関税を追加するということになる。

 米中貿易戦の当初は、中国の対米追加関税対象に天然ガスは含まれておらず、米国は中国に対し、米国産天然ガスの輸入を増やすことで米国の対中貿易赤字を減らすよう求めていた。隆衆資訊の海運統計によると、中国が5月に米国から輸入したスポットLNGは2隻分で、CNPCとシノペックが輸入した。5月期は2018年以降で米国産LNG月間輸入量が最大の月になった。しかしながら、米中間のLNG長期契約交渉や契約調印には何ら実質的な進展はなく、長期契約交渉は、昨年のトランプ大統領の訪中時に中国石油天然ガス集団(CNPC)がMOUに調印した段階に止まっている。これまでの2回にわたる貿易戦争は米国の天然ガスの対中輸出の増加という結果をもたらすことはなかった。
 
 今回発表された追加関税品目リストを見ると、ガス状天然ガス、液化プロパン、その他の液化ブタン、ガス状石油ガスおよびその他の炭化水素系ガスが含まれている。米国のシェールガス革命勃発後の初級派生製品の全てが今回の政治闘争に巻き込まれた形になる。

 国務院は現時点では対米追加関税品目リストにエネルギーを盛り込んだだけであり、具体的な実施時期は発表していない。隆衆資訊の見方によると、米国がもし中国商品に対し引き続き1,000億ドルの追加関税を課す場合、中国が今回発表されたリストを実行に移すのは時間の問題であり、そうなれば米中貿易戦争は新たな高潮へと押し上げられる。

 (中国天然ガス産業連合会 6月19日)