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【エネルギー全般・政治経済】

中国のエネルギー需要はすでにピーク 電力過剰傾向は確実 社会科学院レポート (18/06/22)
2018/6/22
中国【エネルギー全般・政治経済】

 中国社会科学院は《中国エネルギー展望2018〜2050》と題する研究レポートを発表した。同レポートは、中国のエネルギー需要は全体的にすでにピークに達しており、今後は低下傾向を示すと指摘している。

 《中国エネルギー展望2018〜2050》の予測によると、2020年には中国のエネルギー総需要は44.7億tce(標準炭換算トン)に下がり、2030年には41.8億tceに下がる。そして、2050年には38.7億tceに下がって基本的に安定する。

 注目すべきは中国の石炭削減とガス増加政策により、近年天然ガスは需要の伸びが最も高いエネルギーになっていることである。

 《中国エネルギー展望2018〜2050》によると、今後30年、中国の天然ガス消費は引き続き急速な増加傾向を呈し、2050年には中国の天然ガス消費需要は8,000億m3を超える見通しである。そして、その頃には一次エネルギー消費に占める天然ガスの比率は25%超になるだろう。また、中国のエネルギー輸入需要についても、石油中心から徐々に天然ガス中心に移行する。2050年には中国の天然ガス輸入は6,300億m3に増え、輸入依存度は78.5%に達する。

 「中国のエネルギーの転換とセキュリティには国際市場が不可欠だ」。レポート事業チームの首席研究員を務めた中国社会科学院数量経済技術研究所資源技術経済研究室の劉強主任は記者の取材に対して述べた。劉強主任によると、天然ガスの安定供給を保障するためには大規模なインフラが必要であり、しかも石油、石炭、電力等に比べ外国からの衝撃や人為的な干渉を受けやすい。

 そのため、今後30年、天然ガスが中国のエネルギーセキュリティに対する主要な影響要因になる。「中国は国内の天然ガス送配能力を強化して、新しいタイプの天然ガス陸海中継輸送方式を模索し、天然ガスの国際相互連携・融通、特にアジア太平洋の相互連携・融通ネットワークの建設を推進することで、国内市場の天然ガスアクセシビリティを高めなければならない」。

 電力消費に関しては、《中国エネルギー展望2018〜2050》は次のような見方を示している。工業化と都市化の終了に伴い、エネルギー多消費商品の需要が下がり、電力需要も低下傾向を示すことになり、2017年の約6.4兆kWhから2050年には4.47兆kWhに下がる。

 こうした状況の中、中国に電力生産能力の過剰が発生することは間違いない。中国の東北、環渤海、西南地区ではすでに電力過剰が生じている。レポートによると、将来、中国の「新常態(ニューノーマル)」の持続に伴い、電力がより一層過剰になるのはほぼ間違いない。そうしたところから、レポートは次のように提言している。中国は「一帯一路」イニシアチブを生かして、東北地区と西南地区に地域的な電力取引センターを設け、ロシア極東、モンゴル、北朝鮮、インドシナ半島諸国等と電力の相互連系と融通で協力を展開して、互恵的な局面を実現すべきである。

 (中国能源報 6月22日)