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中国
【石炭】

2018年上半期の中国の石炭輸入が大幅増 インドネシアが主要供給国に (18/06/29)
2018/6/29
中国【石炭】

 2018年上半期の中国の海運による石炭輸入量は前年同期比で約14%増加する見通しである。うちインドネシアは上半期最大の石炭供給国になった。

 ロイタートムスンのまとめた海運・港湾統計によると、2018年1〜6月の中国の石炭輸入量は1.266億トンに達したと推定される。2017年同期は1.113億トンであった。

 中国にとって最大の石炭輸入先はインドネシアである。2018年上半期の海運による石炭輸入量は前年同期に比べ1,530万トン増加したが、増加分は全てインドネシアからの輸入であった。

 1〜6月に中国がインドネシアから輸入した石炭は合計6,180万トン、2017年同期の4,630万トンから33.48%増加したことになる。

 中国は石炭消費を減らすとともに低品位炭から高品位炭に転換することで大気汚染を減らそうとしている。こうした点からすれが、発熱量が4,200キロカロリーか場合によってはそれ以下のインドネシア炭の輸入を増やしているのは奇異な感じがある。

 しかしながら、インドネシア炭は硫黄分が低く、そのため、中国沿海部の発電所はインドネシア炭を国内炭や高硫黄輸入炭と混合して使用している。ボイラーの熱効率はやや下がるが、発電所の二酸化硫黄と窒素酸化物の排出量も下げることが出来る。

 加えて、インドネシア炭の成約価格は競争相手のオーストラリアの高品位一般炭をはるかに下回る。6月16〜22日のインドネシアの4200キロカロリー一般炭は48.71ドル/トン、一方、豪ニューキャッスル港の6000キロカロリー一般炭は116.27ドル/トンに達していた。インドネシア炭とニューキャッスル炭の価格差は2017年6月末は50%であったのが、今や58%に上昇した。

 2018年1〜6月に中国がオーストラリアから輸入した石炭は4,284万トン、前年同期の4,262万トンをやや上回った程度である。

 インドネシアとオーストラリアは中国の主要な石炭輸入先であるが、ロシアの対中輸出量が増加したことは注目される。2018年上半期のロシアから中国への石炭輸出は1,030万トン、前年同期比27%の増加になった。

 1〜6月に中国が米国から輸入した石炭は前年同期に比べ38%下がって209万トンになった。その大部分は原料炭である。なお、これは中国が米国の石炭に報復関税を課したせいではない。米国炭の輸入量が下がったのが、豪州炭の方が競争力があり、供給も安定しているからである。

 全体的に見て、中国の輸入炭需要は今後も引き続き増加し、そのため石炭価格の上昇がもたらされる見通しである。6月18日までの週のニューキャッスル港の石炭価格は年初に比べ12%上昇して、118.09ドル/トンに達し、過去最高を記録した。

 (中国煤炭資源網 6月29日)