1. HOME
  2. 中国 【石油・天然ガス】

中国
【石油・天然ガス】

中国向け初のヤマルLNGが北極航路を経て江蘇省如東に到着 (18/07/20)
2018/7/20
中国【石油・天然ガス】

 7月19日、中露エネルギー協力事業であるヤマルLNG事業から中国へ供給する1隻目のLNGが北極東北航路を経由して中国石油天然ガス集団(CNPC)の江蘇如東LNGターミナルに到着した。

 同日、如東LNGターミナルではヤマルLNG初入港式が開かれ、努爾・白克力(Nur Bekri)国家発展改革委員会副主任兼国家能源局長、章建華中国石油天然ガス集団(CNPC)総経理、馬秋林江蘇省副省長、ロシアのノヴァクエネルギー相、ロシアノヴァテク社のMikhelson社長や、シルクロード基金、国家開発銀行、中遠海運、日本の商船三井等の代表が出席した。

 ヤマルLNG事業は、中国の「一帯一路」イニシアチブ提唱後にロシアで実施された超大型エネルギー協力事業である。ロシアの北極圏内に立地し、北極地区で展開する世界最大級のLNGプロジェクトにして、天然ガスの探査開発、液化、運輸、販売の超大型一貫事業になる。同事業はロシアのノヴァテク社、中国石油天然ガス集団、フランスのトタル及び中国シルクロード基金が共同で開発を進める。同事業の天然ガス可採埋蔵量は1.3兆m3、コンデンセート可採埋蔵量は6,000万トンに達する。年産550万トンのLNG生産ラインを3本建設し、全て完成すると年間1,650万トンのLNGとコンデンセート120万トンを生産することが可能になる。1本目の生産ラインは2017年12月に稼動した。

 ヤマル事業から北極東北航路を経由しベーリング海峡を越えて中国にLNGが供給されるのは今回が初めてになる。行程は約10,700キロであり、従来のスエズ運河航路に比べ13,400キロ少なく、所要時間は約20日で、スエズ航路に比べ20日以上少なくなる。

 ヤマル事業の2本目と3本目の生産ラインが操業すると、CNPCは2019年から年間300万トンのヤマルLNGを輸入することになる。ヤマル事業は北極圏において中国とロシアが協力する初めての全産業チェーン共同事業になり、「氷上シルクロード」の重要な支点になる。ロシアのエネルギー産業と辺境地区の発展を促進するだけでなく、中国のクリーン・エネルギー供給を増やし、エネルギー構造の最適化を加速させる。

 今回輸送を担当したVladimir Rusanov号はヤマル事業のため専門に設計建造されたARC7砕氷型LNGタンカーであり、中遠海運集団公司と商船三井が共同で投資、建造、運行を行う。設計上のLNG積載輸送能力は約7.5万トンになる。

 (人民網 7月20日)