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中国
【石油・天然ガス】

中国が2019年には世界最大の天然ガス輸入国に (18/07/23)
2018/7/23
中国【石油・天然ガス】

 天然ガス消費のシェアが急速に上昇している中国は、来年には世界最大の天然ガス輸入国になり、特にLNGが輸入の主力になる。

 7月19日、国際エネルギー機関(IEA)と上海石油・天然ガス交易センター共催の《天然ガス市場報告2018》発表会において、IEAエネルギー市場・ 安全保障局長である貞森恵祐氏は、中国は国内生産量では需要を賄うことが出来ないため、2019年には世界最大の天然ガス輸入国になり、2023年には天然ガス輸入量は1,710億m3に達し、その大部分はLNGになると表明した。

 元国家能源局副局長の張玉清氏は発表会において、中国とインドは天然ガス、特にLNG需要の増加が最も速い国であり、中国は昨年韓国を抜いて日本に次ぐ世界第2位のLNG輸入国になったと表明した。「中国政府はすでに中国の現代的エネルギー体系において天然ガスを主体エネルギーとして育成することを明確に打ち出している。今後、エネルギー構造調整を加速して、クリーン・低炭素・高効率のエネルギー体系を構築し、天然ガス産出・供給・販売体系の建設に取り組まなければならない。2020年にはエネルギー消費に占める天然ガスのシェアを10%にすることを目指す」と張玉清氏は述べた。

 《天然ガス市場報告2018》によると、中国及びアジアの新興国市場が世界の天然ガス消費の増加を促進している。経済の持続的成長と大気汚染を規制する強力な政策支援により、中国が2017〜2023年の世界の天然ガス消費の増加分の37%を占めることになり、世界のどの国をも上回ることになる。レポートの予測によると、世界の天然ガス市場規模は2022年に4兆m3を突破し、中国の需要は年率8%のスピードで増加して、世界の需要の増加分の3分の1以上を占めることになる。2023年には世界の天然ガス消費の増加分の半分以上を中国を初めとするアジアの新興市場がは占めるだろう。

 張玉清氏の見方によると、中国が天然ガスの急速な成長を持続しようとするのなら、ガス源の安定性及びガス価格の代替燃料に対する競争性の問題を考慮する必要がある。中国はパイプラインガスの輸入を増やすだけでなく、沿海地区のLNG輸入も拡大して、多元的な選択の条件を備えるべきである。
 
 《天然ガス市場報告2018》によると、過去10年において発電が世界の天然ガス需要の増加を促進する主要なファクターであったのが、今後は工業が発電に取って代わることになる。アジアを中心とする新興市場は増加の主要部分を占め、天然ガスは工業の工程、化学品及び化学肥料の原料に用いられる。また、北米や中東の主要天然ガス生産地域でも工業用ガス需要が絶えず拡大して、石油化学工業部門の発展を支える。

 米国は今や天然ガスの成長と新規LNG輸出の主要な源泉になり、世界の天然ガス生産量の増加分の45%近く、LNG輸出の増加分の4分の3近くを占める。

 (中国能源報 7月23日)