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【石炭】

中国国家能源集団が2本目と3本目の石炭直接液化油生産ラインを新規建設へ (18/08/14)
2018/8/14
中国【石炭】

 国家能源集団の凌文総経理は、先頃開催された内蒙古国際エネルギー大会において、2本目と3本番目の石炭直接液化油生産ラインを建設して、石炭のクリーンで高効率の利用規模を拡大すると表明した。

 国家能源集団傘下のオルドス煤製油分公司は世界唯一の石炭直接液化油工業化実証生産ラインを運営している。この生産ラインは2004年に建設が開始され、2008年末に試験生産に成功した。設計上は軽油やナフサ等の石油製品を年間108万トン生産する。

 オルドス煤製油分公司の胡慶斌副総工程師によると、石炭直接液化のコアテクノロジーと触媒は同社が独自に開発したものである。試験生産に成功して以来、実証生産ラインは長サイクル、フル負荷、安全・安定運営によって質の高い製品を生産しており、昨年は合計86万トンの製品を生産した。

 生産ラインは約1.2キロに及ぶ。付近の炭鉱で採掘した石炭をベルトコンベアで工場の敷地内に送って粉末に調製してから、生産ラインに送って触媒等の加工を行う。24時間後には生産ラインからミネラルウォーターのようにクリーンな軽油等の石油製品を産出する。

 胡慶斌氏によると、オルドス煤製油分公司の軽油は発熱量、凝固点、比重のいずれも一般の軽油より優れており、硫黄含有量は国家規格の10分の1以下である。零下60℃でも凝固することはない。

 オルドス煤製油分公司は石油製品の生産1トンにつき約3.5トンの石炭を消費する。一般炭以外に原料炭も使用し、石油製品1トンにつき原料炭は2トンになる。国際原油価格が55ドルドル/バレル以上の場合、オルドス煤製油分公司は赤字になることはない。2本目と3本番目の生産ラインが建設されると、収率は約10%上昇し、原油価格の損益分岐点は50ドル/バレルに下がる。

 (中国経済網 8月14日)