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【石油・天然ガス】

中露天然ガスPLはモンゴルを通過するのか?現実的ではないと専門家は指摘 (18/09/14)
2018/9/14
中国【石油・天然ガス】

 露Vzglyadの9月13日付報道によると、モンゴルのバトトルガ大統領は9月12日、東方経済フォーラムにおいて、モンゴルは、ロシアからモンゴルを経由して中国へ天然ガスを輸送するパイプライン建設について協力を進める用意があると表明した。しかしながら、「中露両国の天然ガスパイプライン西線プロジェクトは未だ確定していない中で、モンゴルを経由するかどうかについて討議することは現実的ではないと思う」と復旦大学国際問題研究院の馮玉軍副院長は9月13日、《環球時報》の取材に対して述べた。

 バトトルガ大統領は、モンゴルは露蒙中天然ガスパイプラインプロジェクトの実施に向けて、信頼できる法的条件を創出する用意があると述べた。また、バトトルガ大統領はロシアのプーチン大統領がモンゴルの提案を支持したことに感謝を表明した。

 《環球時報》記者の調べでは、モンゴルが同国を通過する天然ガスパイプラインの建設を提案したのは今回が初めてではない。モンゴルは2006年にアルタイ天然ガスパイプラインの敷設を提案した。2016年6月に中国・ロシア・モンゴルが共同で発表した《中蒙露経済回廊計画綱要》の中で、モンゴルを経由する中露原油パイプライン及び天然ガスパイプラインの合理性について研究するとしていた。また、今年6月の青島上海協力機構サミットにおいて、バトトルガ大統領はこの問題を改めて提起してプーチンの支持を得たが、モンゴル側は「経済と技術論証を慎重に進めなければならない」とも強調した。

 Vzglyadによると、中露天然ガスパイプライン東線は目下建設中であるが、西線契約は未だ調印されていない。ロシア国営エネルギーセキュリティ財団の専門家であるユスコフ氏の見方によると、ロシア側はパイプラインのモンゴル通過を支持することで、中国に対しモンゴル経由のパイプラインが西線の代替版の1つになることを示唆している。なぜならこのルートだとより短く済むからである。もっとも、ユスコフ氏によると、中国とロシアが建設するパイプラインは実際にはモンゴルを経由する必要はなく、しかも、第三国が介在した場合、その国がウクライナのように制御が難しい通過国になる恐れ性もある。

 馮玉軍氏によると、西線の建設が未だ確定していないのは、このパイプラインが中国に入った後、新疆から東部沿海への非常に長いパイプラインを建設しなければならず、コストが必然的に高いものになるからである。そのため、両国はガス価格やパイプライン建設融資など商業利益の面で未だ解決しなければならない問題がある。

 モンゴルは中蒙露天然ガスパイプライン事業に期待を寄せており、9月13日付のMongoliatodayは、「人民の多年の夢」であるとしている。馮玉軍氏によると、モンゴルは中蒙露天然ガスパイプライン事業によって通過料を取ることが出来るだけでなく、天然ガスの供給を受けられる可能性もある。モンゴルの人口の半分は首都のウランバートルに集中しており、住民は炊事や暖房を全て石炭火力発電に依存しているため、8ヵ月間に及ぶ冬季の大気汚染は極めて深刻であり、代替エネルギーの導入が急務である。加えて、経済成長はボトルネックに陥り、モンゴルは高度成長を続ける隣国の中国に相乗りしたいと思うのも必然である。

 但し、馮玉軍氏の見方によると、ロシアが第三国を経由するパイプラインを希望しているのかどうかについては改めて確認しなければならない。なぜならロシアのパイプライン戦略の極めて重要な原則の1つに、通過国を出来る限り少なくして最終市場に到達することがあるからである。Vzglyadによると、東方経済フォーラムにおいて、中国とロシアは西線建設交渉を再開し、双方の隔たりはすでに縮小している。

 (中国網 9月14日)