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【新エネルギー】

中国が低速電気自動車の新規生産能力を厳禁 (18/11/09)
2018/11/9
中国【新エネルギー】

 11月8日、工業情報化部、国家発展改革委員会、科学技術部、公安部、交通運輸部、市場監管総局は連名で《低速電気自動車の管理強化に関する通達》を発し、各省・自治区・直轄市の地方人民政府に対し、低速電気自動車整理対策を組織的に展開するよう求めた。低速電気自動車の新規生産能力を厳禁し、規範化を強める。

 低速電気自動車とは走行速度が低く、航続距離が短く、電池やモーターなどキーパーツの技術水準が低い乗用及び貨物用の三輪、四輪電気自動車を指す。

 低速電気自動車の整理は生産・販売企業を皮切りに3つの段階に分けて実施する。

 第1段階:低速電気自動車生産企業の基本的状況を調査する。

 第2段階:「道路機動車両生産企業及び製品公告」ライセンスを借り受けたり、特殊車両生産ライセンスの名義で所定の範囲を超えて低速電気自動車の生産・販売を行っている企業に対して整理是正を進める。営業ライセンスを有しない企業の取り締まりと閉鎖を行う。

 第3段階:省クラスの人民政府は所轄地域の低速電気自動車生産能力圧縮淘汰転換調整方案を策定し、専門整理計画を策定、実施する。関連政策を公布した上で、法に基づき総合的な措置を取って、基準に達しない生産企業及び製品を整理する。

 中国自動車技術研究センターの専門家である黄永和氏によると、近年中国の低速電気自動車の生産と市場規模は無秩序に拡大しており、生産企業は100社を超え、生産能力は100万台以上に上るが、製品の多くは現行の自動車安全技術標準の要件を満たしておらず、生産企業は自動車生産資格を有しない。車両はナンバープレートや保険なしで公道を走行する。法規に厳重に違反しており、交通の安全や秩序に深刻なまでに影響を及ぼしている。

 関係政府部門の2017年の統計によると、過去5年間において低速電気自動車による交通事故は83万件発生し、死者1.8万人、負傷者18.6万人に上る。低速電気自動車に起因する事故件数と死亡者数は年々増加し、過去3年間の年平均増加率は件数23.3%、死亡者数30.9%になる。

 今回の通達は既存の生産能力を整理するだけでなく、低速電気自動車の新規生産能力を厳禁している。工業情報化部装備工業司の関係責任者によると、各地の人民政府は自動車生産販売に関する国の法規を厳正に執行するよう求められる。低速電気自動車の発展を奨励する政策を策定したり、低速電気自動車参入条件を制定することは停止しなければならない。また、低速電気自動車投資事業の許認可や登録、低速電気自動車企業の新規設立、工場の拡張等の建設事業を停止する。低速電気自動車の新車種も停止する。建設中の事業については直ちに是正を行って、低速電気自動車の生産能力が増加しないよう確実にする。

 (経済日報 11月9日)