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【石炭】

中国の石炭輸入制限措置で豪州市場の不確実性高まる (18/11/20)
2018/11/20
中国【石炭】

 石炭産業アナリストは先日、中国が石炭輸入制限措置を来年まで継続すると、オーストラリア市場の不確実性が高まると指摘した。

 中国当局はすでに外国から石炭輸入を全て停止しており、この禁令は2019年初めまで続くと予想される。

 プラッツの石炭レポートアナリストであるMike Cooper氏によると、中国国内の石炭供給は過剰であり、今年冬が余り寒冷にならなければ、向こう2ヵ月間は石炭輸入を増やす必要がなくなる。「今年冬に備えて中国はすでに十分な石炭を生産しており、発電企業の石炭在庫も充足し、30日分に達している」とMike Cooper氏は述べ、「石炭輸入制限が市場に不確実性をもたらすに違いない」とした。

 供給増加の影響を受けて中国の一般炭CIF価格は大幅に下がっており、2月期の90ドル/トンから60ドル/トンにまで下がった。

 オーストラリアニューキャッスル港から輸出する一般炭の中で中国の輸入する分が25%を占めているが、Mike Cooper氏によると、この部分の石炭が他に販路を見つけることは容易ではない。「石炭価格が高くなく、インド向けに転換しようとしても十分消化しきれないため、この中国向け豪州炭が最終的にどこに流れるかは誰もが知りたがっている」とMike Cooper氏は言う。

 現在の状況は国際エネルギー機関(IEA)のレポートの予測と一致していない。IEAは『エネルギーアウトルック』の中で、インドと東南アジアの増加する需要が中国と日本の需要低下を相殺し、2040年までアジアの石炭需要は堅調に増加を続けると予想していた。

 豪ニューサウスウェールズ州鉱産委員会(NSW Minerals Council)が11月初めに発表したレポートによると、2016年1月期の一般炭価格は約40ドル/トンであったが、現在は114ドル/トン前後で安定している。

 同委員会によると、特に日本、台湾、韓国等の従来からのアジア市場のニューサウスウェールズ州の石炭に対する需要が堅調である。

 しかしながら、Mike Cooper氏の指摘によると、日本の石炭輸入単価は以前の125ドル/トンから最近は100ドル/トンに下がっている。

 (中国煤炭資源網 11月20日)