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【石炭】

中国 火力発電企業の半数近くが赤字 発展改革委員会は2年以上の石炭中長期契約を奨励 (18/12/03)
2018/12/3
中国【石炭】

 年の瀬も近づく中、各地で2019年度発電用石炭売買契約が締結され始めており、石炭側と電力側の駆け引きも日増しに強まっている。

 来年の市場構造が決定されるこの重要な時期、国家発展改革委員会は11月29日、「2019年石炭中長期契約締結履行関連工作の取り組みに関する通達」を示達し、2019年の発電用石炭中長期契約の締結に向けて指導に乗り出した。

 今回の通達は契約期限を2018年の1年契約より延長して、2年以上で量、価格とも明確な中長期契約を締結するよう奨励している。これにより、石炭価格を一定程度安定化することが可能になり、川下の火力発電企業の経営難を緩和することになる。

 2016年下半期以降、石炭の過剰生産能力解消や環境保護督励査察など様々な要因により、全国の発電用石炭供給はタイトになり、一部地区では石炭価格が大幅に上昇し、そのため、火力発電企業の経営状況は厳しくなった。

 石炭需給と火力発電企業の経営難を緩和するため、発展改革委員会は2016年末と2017年初頭に相次いでポートフォリオを打ち出し、石炭価格の大幅な変動に干渉することになった。大手石炭企業の先進的生産能力の石炭増産、運輸の増強、そして石炭企業と電力企業の中長期の直接売買契約の推進などである。

 発展改革委員会は2018年に石炭と電力企業の中長期契約の仕組みをアップグレードし、価格決定の仕組みについて引き続き「基準価格+変動価格」(基準価格は535元/トン)に準じるとした他、契約を鉄道輸送も含む石炭の生産・運輸・需要の三者間の契約にアップグレードした。さらに、発展改革委員会は中長期契約の割合についても要件を打ち出し、中長期契約が石炭企業と電力企業のそれぞれの資源量及び調達量の75%以上を占めなければならないとした。

 そして、今回の通達では、契約期限を2018年の1年契約から2年以上に引き上げた。

 申万宏源の石炭産業アナリストである孟祥文氏は「発展改革委員会は石炭企業と電力企業がより期間の長い長期契約を締結するよう仕向けることで石炭価格を安定させ、来年の石炭価格に大幅な変動が発生しないよう図っている」と指摘する。

 (21世紀経済報道 12月3日)