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【原子力】

中国の原子力発電所「神経中枢」が正式発表 (18/12/07)
2018/12/7
中国【原子力】

 12月6日、中国核工業集団が独自に開発した初の「軍民融合」核安全級DCSプラットフォーム「麒麟システム」(NASPIC)が正式に発表された。このプラットフォームは完全自主知財権を備え、すでに最も高い規格の機能安全認証にパスしている。一部の重要指標で国際最先進水準に達し、中国の原子力発電所の「神経中枢」は最早外国から「首根っこを押さえられる」ことがなくなる。しかも「麒麟システム」は「走出去」(対外進出)の条件も備えており、中国の原子力発電技術の全体的な輸出の実現を助ける。

 中国核工業集団中国核動力研究設計院設計研究所所長助理の劉艶陽氏は『経済参考報』の取材に対し、次のように表明した。「麒麟システム」は原子力発電所、研究炉、小型など様々な類型の事業に適用することが可能である。外国のDCSプラットフォームよりも大幅にコストを引き下げている。今後は知能化、無人監視等が技術研究開発の方向性になる。

 また、中国核動力研究設計院の呉琳副院長によると、「麒麟システム」はすでに2件の実際の受注を得ており、統合後の「華龍一号」プロジェクトにも応用される見通しである。

 「DCS」とは原子力発電所のデジタル化計測制御システムであり、原子力発電所の「神経中枢」と呼ばれる。中でも核安全級DCSはDCSの鍵になる部分であり、事故発生時の原子炉の安全な停止や安全施設の駆動等の機能を備え、事故の影響を限定、軽減して、原子炉と人員の安全を保障する。原子力発電所の安全な運転を左右する鍵になる。

 DCS技術は長年にわたり少数の先進国によって握られてきた。中国の現役の原子力発電所ではDCSシステムは殆ど輸入品であり、技術面で外国に掣肘されているため、建造コストは高いものについてきた。

 中国核動力研究設計院は中国核工業集団の「龍騰2020」計画に基づき、2013年にDCSシステムの研究開発を開始し、デジタル化、完全自主化、全プロセス管理を原則に安全級通信プロトコル、高信頼マイクロカーネルブートソフトウェアなど一連のコアテクノロジーの重点研究開発を進め、5年がかりで完成させた。

 「麒麟システム」はソフトウェアとシステムインテグレーションの面で国産化を100%実現し、高い安全性と信頼性を備えている。

 中国原子力産業協会の趙成昆主任によると、新たな情勢の下で鍵になる計測制御システムが外国の技術独占を「突破」して自主化を実現することになり、輸出の制約も突破して、「華龍一号」の「走出去」をサポートすることになる。

 (人民網 12月7日)