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【石油・天然ガス】

中央アジアPLからの対中天然ガス輸送量が減少 CNPCは緊急対策案を発動 (19/01/08)
2019/1/8
中国【石油・天然ガス】

 中央アジアパイプラインから中国への天然ガス供給は2018年1月に半分近く減少したことがあったが、今季も暖房シーズンのピーク期に再び減少した。

 1月8日、業界の消息筋は界面新聞に対し、トルクメニスタン国営天然ガスコンツェルンのトルクメンガスは中国石油天然ガス集団(CNPC)への事前通知もなく、天然ガス供給量を突然引き下げ、そのためCNPCがトルクメンガスから輸入する天然ガスが約3,500万m3/日減少したことを明らかにした。

 今季の暖房シーズンに入ってからのトルクメンガスの対中天然ガス供給量はが通常約6,000万m3/日である。もっとも、界面新聞の調べでは、1月6日現在、対中ガス供給量は依然6,300万m3/日である。

 前出の消息筋によると、CNPCはすでに緊急対策案を発動しており、「南気北送」(南方から北方への天然ガス融通)とLNG輸入量を増やして、パイプラインガスの補完を進めている。

 「今のところ数日間は持ちこたえられるが、国内の備蓄能力は限られている。もし長引けば、持ちこたえることが不可能になり、全面的なガス制限も必要になる」と前出の消息筋は述べ、「いつ回復するかは中央アジアからの通知を待つしかない」とした。

 「今回の天然ガス供給の減少について、中央アジア側は、現地の電力インフラの老朽化によって停電が発生し、そのため天然ガスコンプレッサー設備が全て停止したことを公式の理由にしている」とCNPC中亜天然気管道公司の関係者は言う。

 中央アジア天然ガスパイプラインの主要ガス源はトルクメニスタンのCNPCアム河天然気公司、トルクメンガス及びウズベキスタンUztransgazである。

 トルクメニスタンは中国にとって最大ののパイプラインガス輸入先である。2017年に中国がトルクメニスタンから輸入した天然ガスは1,932.2万トン、同年の中国のパイプラインガス総輸入量の84.6%を占めた。

 2018年1月31日、CNPCは中央アジアパイプラインからのガスが1月30日に1.2億m3からほぼ半分減少して0.7億m3になったと発表したことがあった。

 中国−中央アジア天然ガスパイプラインは、アム河右岸のトルクメニスタンとウズベキスタンの国境を起点とする世界最長の天然ガスパイプラインであり、全長約1万キロに上る。トルクメニスタン中部とウズベキスタン南部を経由し、ホルコスで中国に入ってから「第2西気東輸パイプライン」になる。トルクメニスタン国内区間は188キロ、ウズベキスタンは530キロ、カザフスタンは1,300キロになり、残りの約8,000キロは中国国内区間である。

 中央アジアパイプラインのガス源が縮小すると、中国市場への天然ガス供給は不足し、LNG価格が高騰することになる。

 「CNPCが緊急対策案を発動しても、国内LNG価格に大きな衝撃をもたらすと予想される」とLNG取引を手掛ける関係者は界面新聞記者の取材に対し指摘する。

 2018年12月12日にはLNG価格の続騰を受けて、CNPCは緊急対策案を発動していた。

 現在、CNPCとシノペックの大手2社の国内天然ガス供給量は8.3億m3/日を超え、過去最高を記録している。

 界面新聞記者が電話取材を行ったCNPC新聞宣伝部の担当者は上掲の情報については知るところはないと表明した。

 (界面新聞 1月8日)