1. HOME
  2. 中国 【石炭】

中国
【石炭】

中国税関の豪州炭通関遅延の影響が表れ始める (19/03/19)
2019/3/19
中国【石炭】

 ロイター3月18日Launceston電によると、中国が意図的に豪州炭の通関を遅らせている影響は2019年1〜2月には未だ見られなかったが、今や影響が表れ始めているようである。

 通関時間が倍の40日に延長されて以来、中国の石炭取引業者は豪州炭の購入を減らしている。

 3月初め、中国税関総署は石炭輸入政策や外国船舶、検査にはいずれも変更はないと表明していたが、外交部報道官は環境及び安全検査を強化したと表明した。

 中国の2019年1〜2月の豪州炭輸入状況を分析したところ、輸入量には昨年同期と比べ余り大きな変化は見られなかった。Refinitivがまとめた船舶追跡及び港湾データによると、2019年1〜2月に中国に到着した豪州炭は合計1,390万トンで、前年同期の1,330万トンに比べ4.5%増えた。2月は583万トンで、1月の807万トンを大きく下回ったが、これは2月初めの1週間にわたる中国の春節休暇が原因であろう。

 しかし、Refinitivのデータによると、3月17日時点で中国の港湾に荷揚げされた豪州炭はわずか250万トンであった。Refinitivの予想では3月期は789万トンの荷揚げが行われる見通しであり、3月の後半2週間における通関と荷揚げは1月及び2月に比べ大幅にスピードアップすることが求められる。

 データによると、中国の港湾等で荷揚げを待っている豪州炭の貨物船は現在17隻で、通常より若干多い。一方、Refinitivのデータによると、中国の港湾外等で荷揚げを待っているインドネシア炭の貨物船は13隻だけである。

 2019年1〜2月にインドネシアから中国へ輸出された石炭は2,120万トンで、前年同期の2,190万トンを若干上回った。

 2019年1〜2月の中国のオーストラリア及びインドネシアからの輸入量は安定していたが、このことは価格変動の面にも表れている。

 Argus Energyのデータによると、中国の税関が通関を遅らせているとの懸念が浮上した当初、オーストラリアニューカッスル港の一般炭価格は下降圧力を受けたが、その後は持ち直した。

 3月15日のニューカッスル港の一般炭価格は93.25ドル/トンで前週の96.7ドル/トンを下回ったものの、11ヵ月来の最低となった2月15日の90.71ドル/トンよりは高い。

 総じて言えば、船舶追跡データと港湾データや価格動向のいずれを見ても中国が石炭輸入を大幅に鈍化させている兆しは見られない。

 しかしながら、3月期の最終データが出揃った時にこうした傾向が証明されると、3月までの実際の荷揚げ量の軟化は大きな懸念材料になる可能性がある。

 (中国煤炭資源網 3月19日)