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中国の石油ガス輸入業者の税負担が400億元以上軽減の見込み (19/03/27)
2019/3/27
中国【石油・天然ガス】

 今年の中国の石油ガス輸入業者の税負担が大幅に下がる見込みである。

 第24回中国LPG会議において、広州税関統計分析処の魏偉生主任科員は、2018年の石油ガス輸入量をもとに試算を行い、2019年の石油ガス輸入業者の税負担は400億元以上軽減され、将来的にはさらに税負担の引き下げが強化されるとの見通しを示した。

 財政部は3月21日、増値税の実質的な減税を推進すると表明し、税務総局並びに税関総署と連名で2019年の増値税改革関連政策を公布した。同政策により、輸入原油及び石油製品の増値税率は現行の16%から、2019年4月1日以降は13%に引き下げられ、LNGとLPGの税率は現行の10%から9%に引き下げられる。

 税関総署の統計によると、2018年の中国の石油ガス輸入量は合計6.1億トン、前年比12.8%増加した。また、2018年の中国の石油ガス輸入総額は2兆500億元、前年比43.5%の増加になり、同年の中国の輸入総額のほぼ7分の1を占めた。

 魏偉生氏は「2019年も中国の石油ガス輸入量は全体的に増加が続くが、伸び率は若干鈍化する」との予想を示した。

 魏偉生氏の予測によると、2019年の原油輸入量は5.1億トン前後に達し、対前年比伸び率は約10%になる。天然ガス輸入量は1.2億トン近くになり、伸び率は約30%になる。石油製品輸入量は3,700万トン前後、伸び率は10%、LPG輸入量は2,050万トン前後、伸び率は約4%になる。伸び率を見ると、原油は昨年並み、石油製品と天然ガスは昨年に比べやや鈍化し、LPGは昨年よりも高くなる。

 石油製品輸入の伸び率鈍化は国内の石油製品需給状況の変化が関係する。2018年の中国の石油製品輸出は5,863.8万トン、前年比12.4%の増加になり、一方、石油製品輸入の伸び率は13%で2017年並みに止まった。

 「2018年には国内の石油製品供給過剰が激化した。今後は石油製品の輸出が需給ギャップを緩和する有効な道筋になる」と魏偉生は言う。国内の製油能力の上昇に伴い、石油製品は今や中国の最も主要な石油ガス輸出品になった。2018年の中国の石油ガス輸出量の中で石油製品は90.4%を占めた。

 (界面新聞 3月27日)