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【石炭】

中国 2019年には石炭供給過剰に直面も 煤炭工業協会 (19/04/09)
2019/4/9
中国【石炭】

 中国煤炭工業協会の王虹橋副会長は先日、中国は2019年に石炭供給過剰に直面すると指摘した。石炭企業は今年1億トン超の石炭増産を計画している。

 中国煤炭工業協会が3月7日に発表した『2018石炭産業発展年次報告』によると、石炭生産能力は依然大きいが、構造的問題がなお突出しており、総合生産能力の相対的過剰が今後一定の間は恒常化する。

 具体的な数値を見ても、石炭産業全体の供給能力が著しく強まっていることが分かる。

  • 2018年の全国原炭生産量は36.8億トン、前年比4.5%増になった。
  • 2018年の石炭輸入量は2.81億トン、前年比3.9%増、輸出は493.4万トン、前年比39%減。石炭純輸入は2.76億トン、5.2%の増加で、4年来の最高水準となった。
  • 2018年の全国鉄道石炭輸送量は23.81億トン、前年比10.3%増、主要港湾の石炭発送量は8.1億トン、7.5%増。

 一方、消費を見ると、2018年の全国石炭消費量は前年比1%増に止まった。産業別の消費量は、電力産業約21億トン、鉄鋼産業6.2億トン、建材産業5億トン、化学工業2.8億トン。その他の産業の石炭消費は約6,000万トン減少した。

 『2018石炭産業発展年次報告』によると、石炭新規生産能力の稼動に伴って石炭生産量はさらに増加することになる。2019年に石炭企業が新たに増やす石炭生産量は約1億トンになる。また、鉄道部門は「運輸構造調整」の要請に従って今年は鉄道による石炭輸送量をより一層増やす。同時に炭鉱安全生産施設の完備や環境保護措置の実行に伴って、生産能力稼働率は上昇し、石炭有効供給の質が高まる。

 需要側を見ると、中国経済は安定しながらも好転と前進を続ける態勢を維持し、経済成長は質的発展へと転換する。そのため、末端エネルギー消費に占める電力の比重がますます高くなり、発電用石炭需要は若干増加することになる。その一方、国内外の経済発展の不確実要素が増え、同時に科学技術の進歩、国の大気環境管理と省エネ・排出削減政策、非化石エネルギーの石炭代替作用の強化により、石炭消費の伸びは若干下がる。

 全体的に分析すると、2019年の石炭消費は基本的に平穏を維持し、大きな増加にはならない。一方、国内の石炭生産能力の稼動が速やかに進み、主要石炭輸送鉄道ルートの能力が増強されて、石炭供給能力はより一層増加する。全国の石炭市場の需給は徐々に緩和へと向かうだろう。

 易煤研究院の張飛龍総監の分析によると、「2019年は新規石炭生産能力の稼動加速期に入り、生産量は徐々に増え、通年の生産量は5%増えて37億トンになる」。

 (中国煤炭資源網 4月9日)