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【石油・天然ガス】

中国民営ガス企業の新奥が東芝の米国LNG事業買収を断念 (19/04/12)
2019/4/12
中国【石油・天然ガス】

 新奥生態控股股份有限公司(新奥股份)は東芝米国法人の傘下にあるLNG事業の全株買収を計画していたが、4月11日、今回の重大資産買収案件は短期間で完了する条件と時機が熟していないとして、買収案件の中止を決定したと発表した。

 新奥股份の米国の天然ガス上流事業買収計画は今回が初めてであり、投資を正式に発表した海外天然ガス上流事業としては2件目になる。

 2018年11月、新奥股份は東芝の米国LNG事業会社の株式100%を1,500万ドルで買収するとの計画を発表し、東芝グループの子会社TESSが調印したLNG事業契約の関連する権利と義務を継承するとしていた。

 また、同事業の買収が予定通り進めば、新奥股份は東芝LNG事業がFreeportと結んだ関連契約も引き継ぎ、第3液化生産ラインの約220万トン/年のLNGを20年間獲得することになっていた。

 米国Freeport LNG輸出ターミナル事業は米国メキシコ湾に所在し、合計3本の液化生産ラインを建設する。年産1,500万トン以上、世界で7番目に大きいLNG事業になる。第3液化G生産ラインは2020年下半期に稼動する見通しである。
 
 しかしながら、新奥股份の董事会(取締役会)は東芝LNG事業が上流のガス源サプライヤーと未だ売買契約を結んでおらず、供給になお一定のリスクが存在することに鑑み、将来ガス価格が上昇すればLNG調達コストが上昇し、延いては事業の収益能力が下がると判断した。

 また、新奥股份も下流の需要家とLNG長期売買契約を結んでおらず、LNGの販売にもリスクが付きまとうと董事会は判断した。

 なお、新奥股份は2016年4月、オーストラリア第2位の石油ガス大手であるSantos社の株式10.07%を買収し、初めて海外LNG事業の買収に成功した。

 (界面新聞 4月12日)