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【石油・天然ガス】

米中貿易摩擦 中国が対抗措置発表 米国産LNGに25%の追加関税 (19/05/14)
2019/5/14
中国【石油・天然ガス】

 中国政府は米国産LNGに25%の追加関税を適用すると正式に発表した。

 5月13日、国務院関税税則委員会は公告を発し、LNGも含む一部商品リストの関税率をこれまでの10%から25%に引き上げることにした。米国政府は5月9日、中国から輸入する2,000億ドルの商品に対する関税率を5月10日より10%から25%に引き上げると発表していた。

 国務院関税税則委員会の公告によると、すでに追加関税を適用している米国商品の一部について、追加関税の税率を25%、20%又は10%に引き上げることになる。

 米国産LNGの関税率引き上げによって、中国の米国産LNG輸入はますます減少する公算である。

 ロイターの集計によると、今年に入ってから現時点で米国から中国へ輸出されたLNGは2隻だけである。米中貿易戦争が勃発していなかった2018年1〜4月は14隻であった。

 税関総署の統計によると、中国が2017年に米国から輸入したLNGは151.1万トン、2018年は214.8万トンで、輸入額は2017年6.4億ドル、2018年10.95億ドルであった。いずれの年も米国産LNGは中国のLNG輸入総量の約4%を占めた。

 近年、天然ガスは発電や工業等に幅広く利用されており、石炭の重要な代替品になっている。アジア各国も石炭に対する依存を減らすよう努めており、天然ガス消費は急速な勢いで増加している。

 大気管理とエネルギー構造転換に推進される形で中国は今や国際LNGの重要なマーケットになっている。

 中国は現在、日本に次いで世界第2位のLNG輸入国である。税関総署の統計によると、2018年のLNG輸入量は5,378万トンに達し、前年比41.2%増加した。

 一方、米国は世界で最もLNG輸出の伸びが速く、2019年にはLNG輸出量でカタール、オーストラリアに次ぐ世界第3位になる見通しである。

 先週、米国最大のLNG生産企業であるCheniere Energyは、貿易戦争は無益であり、顧客の購入コストを増やすだけであると表明したが、同社の販売状況には実質的な影響は未だ出ていないとのことである。

 米国石油学会(API)の発表によると、関税措置は米国のLNG投資の伸びを圧迫し、米国の労働者の利益を損ない、海外の競争相手に利益を譲る結果になる。

 米中は2018年7月から相互の貨物に追加関税を課し、中国は2018年9月、LNGを追加関税リストに入れて、10%の関税を適用していた。

 (界面新聞 5月14日)