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【電力】

石油価格高騰で華南の重油発電所がLNGへの志向強める (08/05/15)
2008/5/16
中国【電力】

 華南の某重油発電所筋は、中国南部でLNGに転換する重油発電所の割合が5月も引き続き大幅な増加を示すとの予想を明らかにした。これに対応して、発電用の重油の割合は引き続き低下する見通しである。

 華南の重油市場の主要顧客である発電所のこのような傾向が続くと、重油市場、特に輸入重油市場にとっては株価下落材料が増えることになる。深南電(深圳セン南山熱電)筋によると、同社のLNG発電が発電用燃料の60%を占めているのに対し、重油は40%であり、その位置づけは補充燃料に過ぎない。

 こうした傾向が生じた原因には、LNGを使用する方が重油に比べ総合コストが安いことがある。今年4月以来、国際油価の高騰に伴って、発電用重油価格も上昇し、華南の重油発電所の負担能力を次第に超えつつある。一方、これち対照的に、LNGのスポット価格は今年2月から下落し始め、4月期も安定する中で若干の下落を示している。その上、重油発電所がLNGに転換すると、重油発電に比べ、環境保護費用や設備の維持修理費用も節約できる。総合コストで見た場合、LNG発電の優越性は際立っているのである。

 今や華南の大部分の重油発電所はすでにLNGへの転換を開始している。例えば、深南電は昨年、LNGへの転換を完了し、今年4月期には2万トンのLNGを輸入した。5月期には3.7万トンのLNGを発注することになる。

 (中国証券報 5月15日)