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【電力】

四川省の発電用石炭備蓄に危機 今後ギャップが拡大も (08/05/21)
2008/5/21
中国【電力】

 震災により省内のすべての国有重点炭鉱が生産を停止したため、四川省の石炭火力発電所は危機に瀕している。国家電力監督管理委員会の最新データによると、四川省の火力発電所2ヵ所で石炭備蓄がゼロになり、7ヵ所で石炭備蓄が7日分の警戒ラインを下回っている。

 国家電力監督管理委員会が20日に発表した速報によると、18日時点の四川省内の10万kW以上の石炭火力発電所の石炭備蓄は106.9万トンで、約9日分になる。しかし、巴蜀電力公司と攀枝花三維の備蓄は底を尽き、嘉陵、達州、金堂、黄桷庄、宜賓公司など7ヵ所の発電所の備蓄は7日分の警戒ラインを下回っている。

 華電集団は四川省に重要な石炭火力発電所をいくつか有しているが、その中で攀枝花三維発電所の在庫はゼロ、黄桷庄、宜賓公司が要警戒である。

 華電煤業集団筋は、四川省の大型炭鉱はすべて生産を停止しており、発電所への石炭供給は極めて困難になっているとしている。同社は、四川省の隣の貴州省から石炭を緊急調達するよう検討している。

 しかしながら、今後、電力供給の回復や工場の稼働再開により、発電用石炭の需給ギャップが再び激化することが懸念される。

 19日の時点で、四川電網の最大電力使用負荷は震災前の80%に当たる1,047万kWに回復した。現在電力使用負荷の中心は民生用であるが、工場やその他様々な機関の電力使用負荷が増加すると、発電用石炭の需給ギャップが拡大するに違いない。一方、四川省の大型炭鉱の生産再開までには相当長い時間がかかると予想されている。

 発電用石炭の需給ギャップは四川省に止まらず、全国の発電用石炭備蓄の状況も楽観を許さない。18日時点における10万kW以上の石炭火力発電所の石炭備蓄は4,711.4万トンであるが、北京・天津・唐山、安徽、湖南、蒙東で石炭備蓄は7日分の警戒ラインを下回り、石炭不足のため停止されたユニットは全国で32台、発電容量にして482万kWに上っている。

 (中国煤炭資源網 5月21日)