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【エネルギー全般・政治経済】

要素価格の歪みが経済成長パターンの転換を阻害…呉敬レン(08/05/26)
2008/5/26
中国【エネルギー全般・政治経済】

 中国の経済成長方式の転換を実現するには、要素価格決定の仕組みや為替政策など重要政策の調整を急ぐ必要がある。25日開催された「上海フォーラム2008」において、国務院発展研究センター研究員の呉敬●氏がこのように表明した。

 呉敬●氏によると、現在、商品価格の市場化はすでに進んでいるが、要素価格は依然、行政による価格決定が中心であり、政府の価格決定政策が各種要素価格に歪みをもたらし、中国の経済成長パターンの転換が難しい原因となっている。

 また、為替政策について、呉敬●氏は、為替レートのメカニズムの市場化を一層進めることは、東アジアの一部の国や地区で輸出指向型モデルが深刻な問題をもたしてからというもの、非常に重要な教訓になっていると指摘する。2005年7月以降、中国は為替レートの変動幅を拡大したものの、依然問題は深刻であり、政策はジレンマに直面せざるを得ないと呉敬?l氏は指摘し、経済学界、企業や政府部門は共同で研究を進め、妥当な対応方法を模索することが必要であると説く。

 呉敬●氏によると、中国経済は30年にわたる改革開放によって巨大な成長を遂げ、すでに1人当たり収入2,000〜3,000ドルの段階に進んでいるが、これは要素の投入と輸出需要によって推進されてきた成長パターンであり、こうしたパターンはこれまで中国経済の高度成長を支えてきたが、ここ数年、問題が徐々に顕在化し、経済成長モデルの転換がますます求められるようになった。しかし、その転換のペースは極めて遅い。輸出指向政策の調整についても、問題の顕在化が比較的遅く、表面化したのはここ数年でしかないため、然るべき対応措置が後手に回っている。

 そうした諸問題の中でも体制上の障害こそが最大の問題であると、呉敬●氏は言う。政策の方向性を調整するには、改革を推進して、市場による資源配置の基礎的作用を発揮させることが不可欠である。市場経済システムには多くの重要な枠組みがあり、また多くの重要なサブシステムがあるが、実際にはこれらは中国では未だに確立されていない。「例えば、企業制度についても、国有企業改革には多くの未解決の問題が残されている、金融システムの問題はもっと大きい。政府の政策がどのようにすれば、市場経済の必要に適応して、成長パターンの転換を実現できるのか、これはさらに大きな問題である」と呉敬●氏は述べた。

 (第一財経日報 5月26日)

 ●…王ヘンに連