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【石炭】

中国石炭市場 2009年以降は供給過剰に陥る可能性も (08/05/27)
2008/5/27
中国【石炭】

 中国石炭運輸販売協会の楊顕峰事務局長は第11回北京科博会エネルギー利用と新エネルギー開発国際フォーラムにおいて、中国石炭市場は2009年以降、生産能力過剰に直面するとの予想を示した。

 楊顕峰氏の予測モデルによると、石炭有効供給能力は2009年と2010年に年間9%以上拡大する。2010年の石炭予想生産能力は約31億トンで、年平均1.15億トン増加する。また、2009年と2010年の2年間で山西・陝西・内蒙古西部地区の鉄道による石炭対外輸送力は約3億トン増える。生産能力の伸びは落ちるものの、輸送力の大幅な拡大によって、2009年以降の石炭有効供給能力の伸びはが上昇するのである。

 一方、2009年以降も中国経済の高成長は続くが、減速要因もある。不動産開発投資や重工業投資に反落傾向が生じる可能性がある。また、資源浪費と汚染の大きい製品の輸出に対する規制が強化され、省エネ・排出削減政策の効果がますます顕著になり、石炭消費指標が一層低下するなど、石炭需要の伸びの低下が続くと予想される。

 石炭需給が基本的に平衡する状況の下で、第11次5ヵ年規画の単位GDP当たりのエネルギー消費を20%引き下げるとの目標に従うなら、2009年以降の石炭需要の伸びは3.5%前後にまで下げる必要がある。こうした低い需要の伸びと前述の有効供給能力の急拡大との落差は極めて大きく、石炭市場は生産能力過剰圧力に直面せざるを得ない。

 こうしたところから、楊顕峰氏は、国家備蓄と企業の義務的備蓄を結びつけた石炭緊急備蓄制度の確立、大型石炭企業集団の発展、政府の石炭供給に対する規制強化、全国石炭交易センターの設立や市場化による石炭供給の安定化を提唱している。
 
 (中国煤炭資源網 5月27日)