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【電力】

電気料金値上げも問題の根本的解決は困難 (08/06/23)
2008/6/24
中国【電力】

 7月1日より、全国の平均電気料金は1kWh当たり0.025元引き上げられ、同時に石炭価格に対して臨時干渉措置が適用される。

 5月31日の時点で、発電用石炭の不足により運転を停止した発電容量は合計697万kWに達し、5大電力集団の赤字は合計27億元に上っている。今回の電気料金の値上げによって、深刻な赤字を抱える発電企業は一息付くことができ、運転を停止していた多くの企業も操業を再開し、夏の電力ピークにおいても電力供給の安定が確保される目処が付いた。中国電力企業聯合会統計情報部主任の薛静氏によると、0.025元の電気料金値上げ分がすべて発電企業の収入になると仮定するなら、今回の値上げは、石炭1トンにつき60元の補助金を発電企業に交付することに等しい。しかし、昨年以来、発電用石炭はトン当たり100元近く高騰している。その上、0.025元の値上げ分全てが発電企業の収益になるわけではなく、電力網の建設、発電所の脱硫経費に対する助成や新エネルギーに対する補助金にも回り、実際に発電企業に補填される分は決して多くはない。ここ2年の発電企業の累積赤字は極めて大きく、0.025元の値上げ分の一部が充当されても、赤字を埋めるにははるかに足りないと、薛静氏は説く。

 中国能源網の韓暁平CEOも同様に、今回の値上げは過渡的なものに過ぎず、根本的な解決策にはならないと指摘する。韓暁平氏によると、発電用石炭の高騰のため、投資家の電力事業に対する信頼は十分でなく、電力企業の資金調達能力は脆弱であり、資本市場は低迷を続けている。真の解決のためには、正しい取引の仕組みを形成し、需給関係を反映させることが必要である。石炭価格が高騰したからと言って電気料金を上げるのでは、今度は石炭価格の高騰をもたらす悪循環に陥ると韓暁平氏は警告する。

 (北京商報 6月23日)