中国の鉄道による石炭輸送価格は現在0.097元/1t・1km〜0.12元/1t・1km、山西省から輸送距離500kmの場合、輸送費はトン当たり48.75〜60元になる。

　一方、トラックによる輸送は1.2元/1t・1kmであり、山西省から500kmの場合はトン当たり600〜800元を要し、300kmの場合、鉄道の30〜40元に対して、トラック輸送は約300元を要する。当然ながら、鉄道は最も廉価で最適な輸送方式になるが、鉄道輸送能力には限りがあるため、トラック輸送によって補完することが必要になる。

　鉄道輸送の配置から見た場合、北ルートは、一般炭の輸送量が季節によって大きく変動するため、季節的な輸送力逼迫が大きなものになる。

　輸送力の規模と需給関係から分析した場合、山西からの北ルートは相対的に逼迫し、中ルート、南ルートの輸送力は実際の需要との格差が甚だしい。現在、いずれの路線も逼迫を極めており、山西からの石炭輸送は制約を受け、そのため、一部地区の石炭不足や消費地の石炭価格高騰を招いている。

　さらに、石炭輸送計画の面から見た場合、第11次５ヵ年規画期に政府は山西からの石炭輸送路線の建設と改造、拡充を加速することになる。主な新規建設路線には、石家荘−太原、太原−中衛−銀川、北同蒲原−韓家峰、ジュンガル−朔州があり、改良事業には、大同−秦皇島線の拡充、南同蒲楡次西−侯馬北の電化と発着線の改良、侯西線の複線化及び電化がある。

　（中信証券 9月24日）