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中国
【原子力】

2020年までに31基の原子力発電所を新規建設 総投資額5,000億元超 (07/09/19)
2007/9/19
中国【原子力】

 エネルギー供給を確保し、エネルギー価格の変動を抑える上で大きな役割を果たす原子力発電は、世界的に急速な発展段階に進みつつある。特にアジア地域は他のどの地域に比べても原子力発電の必要性が高く、IAEAの統計によると、建設中又は計画中の原子力発電所のうち3分の2がアジア諸国、特に中国に集中している。

 中国の原子力発電は全国エネルギー総量の2%に過ぎず、中国は、エネルギー構造の調整を進めるためには、何よりも原子力発電を発展させなければならない。中国は原子力発電分野における需要は巨大であり、同分野における外国との協力についても良好な基盤が固められている。核保有国の1つである中国は世界の原子力の発展にとって最大の推進役になるだろう。

 原子力発電を促進する理由は様々であるが、専門家は、次の3つの主要な理由を挙げている。

 (1) 経済性:アメリカ、フランス等では原子力発電の価格は極めて大きな競争力を備えている。原子力発電のコストは安定しており、燃料価格の変動に左右されない。そのため、原子力発電によってエネルギー価格の変動を抑え、エネルギー供給を保障することが可能になる。

 (2) 安全性:原子力発電所運転のノウハウは数十年にわたって積み重ねられ、安全性は大幅に高まっている。使用済み燃料処理の面でも国際協力が強化され、国際安全基準が制定されている。

 (3) 汚染フリー:火力発電所とは異なり、原子力発電は二酸化炭素、一酸化炭素を排出しない。EUの試算によると、二酸化炭素削減目標を達成するには10万MW〜30万MW、すなわち100基以上の原子力発電所を建設することが必要になる。原子力発電を、鉱物燃料に代わる有力な代替エネルギーとしなければならない。
  
 中国の最新の目標によると、2010年までに原子力発電の設備容量を1,200万kWとし、2020年までに31基の原子力発電所を新たに建設する。その時点で原子力発電設備容量は4,000万kW、建設中の原子力発電設備容量は1,800万kWになる。この目標を達成するためには、毎年100MWクラスの原子力発電ユニットを2基建設する必要があり、総投資額は5,000億元に上るだろう。

  (中国鉱業網 9月19日)