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【石油・天然ガス】

シェルのGTLが上海バスの試験運行に優れた成果 (07/09/21)
2007/11/22
中国【石油・天然ガス】

 シェルの中国法人と上海クリーン・エネルギー研究・産業促進センターによるGTLデモンストレーション運行試験が終了した。この試験は上海バスのユーロ2基準の乗合バスにシェルのGTL(天然ガス由来の液体燃料)を6ヵ月間使用したもので、その結果、シェルのGTLは標準軽油に比べ、顆粒物が35%、窒素酸化物が15%、一酸化炭素が13%、CO2が4%減少することが明らかになった。また、このGTLによって黒煙が70%減少することも分かった。

 GTLは一般のディーゼルエンジンでもそのまま使用することができ、車両を改造する必要はまったくない。また、デモンストレーション運行中も燃費や動力性能において一般のディーゼル車に比べて遜色するところはなかった。

 このGTL燃料をユーロ2の乗合バスに使用した場合、窒素酸化物以外の排出指標をユーロ3の基準まで下げることが出来る。つまり、現在上海で多数運行されているユーロ2基準のバスにこのGTLを使用すれば、なんら改造を施す必要もなく、また新しい給油施設を建設する必要もなく、75%の車両をユーロ3基準に格上げすることが出来るのである。上海バスの技術部長は、GTLは上海の公共交通にとって極めて好ましい選択肢になると述べている。

 なお、シェルはGTLのコストや成分を明らかにしていないが、価格については国際間で最もクリーンな軽油の市場価格に準拠している。

 上海の乗合バスはかつてCNG(圧縮天然ガス)の推進に力を入れたことがあるが、技術、コストや政策など様々な要因により、上海のCNGバスは次第に廃れていった。その後は、DME、燃料電池等の燃料が打ち出されたが、今回のGTLのデモンストレーションの成功によって、新たな選択肢が生まれたことになる。上海は各種燃料を比較した上で長期計画を立て、CNGバスのような混乱が二度と起きないようにしなければならない。

(中国石化新聞網 9月21日)