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【石油・天然ガス】

ロシアESPOパイプライン 第一期工事の完成に向けて順調に前進 (09/02/26)
2009/2/26
アジア【石油・天然ガス】

 ESPO(東シベリア−太平洋)パイプラインのプロジェクト管理センターの責任者であるAlexei Sapsai氏によると、同パイプラインの第一期工事におけるパイプライン敷設は250km未満を残すだけとなっている。

 ESPOフルラインは、タイシェト(Taishet)からスコボロジノ(Skovorodino)を通過し、コズミノ(Kozmino)までの4,700キロである。第1期工事はタイシェトからスコボロジノまでの2,700kmで、第2期工事はスコボロジノからコズミノまでの2,000kmである。

 OAO TransneftのAnatoly Bezverkhov副社長によれば、第一期パイプラインの試運転は12月25日に予定されている。2009年の実施が計画されていた仕事は完全に実行される予定である。

 Sapsai氏によれば、第1期工事2,450キロのパイプラインが敷設される土地は総て森林伐採と整地が完了し、配管も総て搬送配置されている。また、1,776kmについては水圧テストが終了し、1,094kmについては油で満たされている。タイシェトにあるヘッドオイル・ポンプステーション、イルクーツクのRechushkaおよびYakutiaのAldanにある中間ポンプステーションの建設と試運転も完了している。Talakan油田ステーションの建設も完成に近づいているが、パイプラインに付随する関連機器やユーティリティネットワークおよびキレンスクとスコボロジノ近くのタンク基地の建設は進行中である。2,700kmの第一期タイシェット -スコボロジノパイプラインには7ヵ所のオイルポンプステーションが建設されるが、それに加えて タイシェトスポンプテーションとタンク基地に2ヵ所のポンプステーションが建設される。

 ESPO管理センターによれば、Yakutia共和国周辺の建設は予定通り進行しているが、Lena川を横断するパイプラインの建設は四月に完了する見込みである。太平洋沿岸のコズミノ石油輸出ターミナルでは、石油タンク基地、タンク車積み込み設備、その他陸上・海上関連設備の建設が25%以上完成している。

 第一期工事のパイプラインは2008年10月24に運転が開始され、総合通油テストがほぼ完全に終了した。Yakutiaとイルクーツク地域からタイシェットへの石油の逆送は 2008年10月4日に始まった。昨年10月、最初に輸送された10万トンの石油はTalakanとVerkhnechonsk油田から供給され、今年は、Talakanから18万トン、Verkhnechonskから約4万トンを含む22万トンが供給される予定である。

 第二期工事の進展

 アムール地区、ユダヤ自治区、ハバロフスク、沿海州地区を通る2000kmに及ぶESPOラインの第二期工事は、今年の後半に開始される予定である。 第二期工事は14.5から17.5ヶ月以内に完了できると期待されるが、最終的なタイムラインはまだ承認されていない。 第一期のパイプラインの石油輸送能力は3000万トン/年で設計されているが、第二期のパイプラインは総輸送能力を8000万トン/年に増加させることになっている。

 第一期は、東シベリアの石油産出自治区と同様にタイシェットで新パイプラインと連結する予定の既存オムスクーイルクーツクパイプラインに沿って、西シベリアのトムスク地区とKhanty-Mansi自治区の油田から供給を受ける。パイプラインが太平洋岸のコズミノに達した後は、石油は西シベリアやクラスノヤルスク地域、イルクーツク地域およびYakutia地域から供給される。

 第一期の建設費は推定950億ルーブル(27億ドル)で、第二期を加えた総工事費は3,900億ルーブル(109億ドル)に達する。今年2月初め、ロシアと中国は、スコボロジノから中国国境までの67キロのパイプラインと更に中国国内の大慶までの960キロのパイプライン建設を認めることを条件に250億ドルの融資(中国からロシアへ)に合意している。

 (Oil & Gas Journal Daily 2月26日)