中国の石油大手3社の2008年度年次報告が相次いで発表された。3社の業績は明暗が分かれ、中国石油天然ガス股フェン公司(PetroChina)と中国石油化工股フェン有限公司(Sinopec Corp.)が大幅減益になった一方、中国海洋石油有限公司(CNOOC Ltd.)の純益は急成長を示した。 各社の年次報告によると、PetroChinaの純益は前年比22%減の1,144.31億元、Sinopec Corp.は47.3%減の297.69億元。CNOOC Ltd.は、上場以来8年連続で増益になり、2008年の純益は前年比42%増の444億元に上った。 Sinopec Corp.の年次報告によると、2008年の大幅減益の原因は、国際油価の暴騰と暴落、国内石油製品価格の逆さや、需要の急変に起因する経営環境の悪化。中国最大の製油企業である同社は、原油のほぼ80%を輸入に頼っているため、製油部門の赤字が最も大きい。2008年の同社の製油部門の赤字は、2007年よりも551億元多い615億元に達した。これに販売部門の赤字を合わせると、前の年よりも622.9億元大きい829.7億元の赤字になる。 これに対し、CNOOCは石油・天然ガスの上流生産事業に専念して製油事業の赤字がない上に、2008年第1〜第3四半期の国際原油価格の高騰から大きな利益を得た。同社の昨年の原油平均価格は前年比34.9%上昇し、天然ガス価格は16.3%上昇して、売上高は38.1%増加した。 国際油価高騰の中、石油特別収益金が大幅に増加したことも昨年の3社の業績に影響を及ぼした主要要因の1つである。中国の石油特別収益金は、原油価格が1バレル40ドルを超えると、課税率が高くなる仕組み。2008年に3社が上納した石油特別収益金は、PetroChinaが852.9億元、Sinopecが328億元、CNOOCが162億元に上り、それぞれ前の年に比べ、407.1億元、112億元、94億元増えた。 2008年第4四半期には、PetroChinaとSinopecの製油部門の赤字は解消されたが、世界金融危機が実体経済にも広がったことで石油化学製品需要が急減し、価格が大幅に下落したにも関わらず、原材料コストを製品に転嫁することが難しいことや在庫の増加など、大きな圧力に直面している。また、PetroChinaの場合、稼ぎ頭である石油・天然ガス採掘事業は、油価の暴落によって大幅な減益になっている。 しかし、新しい石油製品価格制度の施行によって、製油企業は、これまでの油価が高くなるほど製油の赤字がますます拡大するというイタチごっこから脱却できる見込みである。昨年12月に新たな石油製品価格制度がスタートしたが、すでに石油製品の値下げが2回、値上げが1回行われており、PetroChinaの周吉平副董事長(副会長)によると、3月25日の値上げによって、PetroChinaは月々12.6億元の増収になった。また、Sinopecの発表によると、今年第1四半期に国際油価が低い水準で推移し、石油製品価格制度が実施されたことから、同社の製油部門は長年の赤字経営から転換し、今年第1四半期の純益は前年同期比50%以上の増加になる見込みである。 但し、今年の石油化学部門の見通しについては楽観できないというのが大方の認識である。世界経済の回復や石油化学産業の実質的な景況の転換がない限り、石油企業の収益好転の見込みはない。 今年に入ってから、国際油価は依然として低迷を続けている。世界金融危機の底が未だも見えず、実体経済へも影響が広がっているため、短期的に油価上昇の牽引力は乏しいと見られる。 このように情勢は依然として厳しいものの、石油大手の基礎はなお良好である。政府の景気刺激策や構造調整政策の下で、石油大手は発展戦略の調整をポジティブに進めるとともに、石油・天然ガス開発も一層重視して、将来に備えている。 (新華網 4月2日)
中国の石油大手3社の2008年度年次報告が相次いで発表された。3社の業績は明暗が分かれ、中国石油天然ガス股フェン公司(PetroChina)と中国石油化工股フェン有限公司(Sinopec Corp.)が大幅減益になった一方、中国海洋石油有限公司(CNOOC Ltd.)の純益は急成長を示した。
各社の年次報告によると、PetroChinaの純益は前年比22%減の1,144.31億元、Sinopec Corp.は47.3%減の297.69億元。CNOOC Ltd.は、上場以来8年連続で増益になり、2008年の純益は前年比42%増の444億元に上った。
Sinopec Corp.の年次報告によると、2008年の大幅減益の原因は、国際油価の暴騰と暴落、国内石油製品価格の逆さや、需要の急変に起因する経営環境の悪化。中国最大の製油企業である同社は、原油のほぼ80%を輸入に頼っているため、製油部門の赤字が最も大きい。2008年の同社の製油部門の赤字は、2007年よりも551億元多い615億元に達した。これに販売部門の赤字を合わせると、前の年よりも622.9億元大きい829.7億元の赤字になる。
これに対し、CNOOCは石油・天然ガスの上流生産事業に専念して製油事業の赤字がない上に、2008年第1〜第3四半期の国際原油価格の高騰から大きな利益を得た。同社の昨年の原油平均価格は前年比34.9%上昇し、天然ガス価格は16.3%上昇して、売上高は38.1%増加した。
国際油価高騰の中、石油特別収益金が大幅に増加したことも昨年の3社の業績に影響を及ぼした主要要因の1つである。中国の石油特別収益金は、原油価格が1バレル40ドルを超えると、課税率が高くなる仕組み。2008年に3社が上納した石油特別収益金は、PetroChinaが852.9億元、Sinopecが328億元、CNOOCが162億元に上り、それぞれ前の年に比べ、407.1億元、112億元、94億元増えた。
2008年第4四半期には、PetroChinaとSinopecの製油部門の赤字は解消されたが、世界金融危機が実体経済にも広がったことで石油化学製品需要が急減し、価格が大幅に下落したにも関わらず、原材料コストを製品に転嫁することが難しいことや在庫の増加など、大きな圧力に直面している。また、PetroChinaの場合、稼ぎ頭である石油・天然ガス採掘事業は、油価の暴落によって大幅な減益になっている。
しかし、新しい石油製品価格制度の施行によって、製油企業は、これまでの油価が高くなるほど製油の赤字がますます拡大するというイタチごっこから脱却できる見込みである。昨年12月に新たな石油製品価格制度がスタートしたが、すでに石油製品の値下げが2回、値上げが1回行われており、PetroChinaの周吉平副董事長(副会長)によると、3月25日の値上げによって、PetroChinaは月々12.6億元の増収になった。また、Sinopecの発表によると、今年第1四半期に国際油価が低い水準で推移し、石油製品価格制度が実施されたことから、同社の製油部門は長年の赤字経営から転換し、今年第1四半期の純益は前年同期比50%以上の増加になる見込みである。
但し、今年の石油化学部門の見通しについては楽観できないというのが大方の認識である。世界経済の回復や石油化学産業の実質的な景況の転換がない限り、石油企業の収益好転の見込みはない。
今年に入ってから、国際油価は依然として低迷を続けている。世界金融危機の底が未だも見えず、実体経済へも影響が広がっているため、短期的に油価上昇の牽引力は乏しいと見られる。
このように情勢は依然として厳しいものの、石油大手の基礎はなお良好である。政府の景気刺激策や構造調整政策の下で、石油大手は発展戦略の調整をポジティブに進めるとともに、石油・天然ガス開発も一層重視して、将来に備えている。
(新華網 4月2日)