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【石油・天然ガス】

中露天然ガス価格はアジア原油価格に連動 当事国通貨による決済も (09/10/16)
2009/10/16
中国【石油・天然ガス】

 長年膠着していたロシアから中国への天然ガス輸出価格問題を打開する上で大きな進展があった。13日、ロシアのGazpromと中国石油天然ガス集団(CNPC)は、天然ガス輸出価格をアジアの原油価格と連動することで合意した。また、双方は、天然ガスの決済通貨として、ルーブルまたは人民元を使用することも排除しないとした。

 13日に調印されたGazpromとCNPCの枠組み協議書には天然ガス価格の規定はなく、双方は来年初頭に改めて天然ガス価格交渉を行うことになるが、中国石油規画総院の李偉氏によると、中露天然ガス価格交渉において、アジアの原油価格と連動する価格決定方式が基準になるだろう。しかし、アジア原油価格は欧州価格よりも高いため、CNPCのロシア天然ガス輸入価格もまた欧州向け天然ガス価格よりも高くなる恐れがある。これは中国にとって不利である。もし、ロシアが来年の交渉においてあまりにも高い価格を提示するなら、中国は輸入しないということもあり得る。来年の天然ガス価格交渉にはすでに暗雲が立ち込めている。

 計画では、中露双方は来年初頭の天然ガス価格交渉において合意を見た上で、6月に契約に調印して最終的に天然ガスの輸入価格と供給量を決定し、ロシア側は3年以内にパイプラインを完成させ、中国への天然ガス供給を開始することになる。2本の天然ガスパイプラインのうち、西ルートは2015年までに稼動を開始し、東ルートは2015年から2、3年内に稼動する公算である。

 なお、中国側からGazpromへの融資問題については、未だ討議されていない。

 (毎日経済新聞 10月16日)