1. HOME
  2. 中国 【省エネ・環境】

中国
【省エネ・環境】

商務部と環境保護総局が輸出企業に対する環境監督管理の強化を通達 (07/10/12)
2007/11/22
中国【省エネ・環境】

商務部と環境保護総局は12日、「両高一資」製品(高汚染製品・エネルギー多消費製品・資源的製品)の輸出を規制し、対外貿易の成長パターンを転換し、貿易バランスの平衡を促すため、輸出企業が率先して環境保護水準を高めるよう推進すべく次のような通達を出した。

 (1) 輸出企業に対する環境監督管理強化の意義

 一部輸出企業には輸出コスト引き下げのため、違法な汚染物排出や基準を超えた排出、違法な環境資源の侵奪を行っている。そのため、製品を国外に輸出する一方で、汚染を国内に留める結果となっている。また、輸出製品価格が社会コストを反映していないため、貿易摩擦を激化させ、貿易黒字の不合理な拡大を助長し、中国製品のイメージを損ねている。輸出企業の環境監督管理を強化することは、省エネ・排出削減目標の達成、環境配慮型社会の構築、貿易成長パターンの転換などを実現する上で重要である。

(2) 輸出企業の環境監督管理の強化

環境保護部門は汚染排出企業、とりわけ「両高一資」製品輸出企業に対する環境監督管理を強化する。第1に、汚染企業に対する環境行政検査を展開し、環境法規違反行為は法規に基づき処分する。第2に、日常の巡察や監視計測の頻度を増やすなどこの種企業に対する日常監督管理を強化する。第3に、輸出企業環境行政ファイル管理データベースを確立して、輸出企業の環境法規違反案件の管理を強化する。

(3) 輸出管理過程と企業の環境保護基準審査を強化する

地方環境保護部門は、環境保護違法行為に対して行政処分と公開を行い、企業に対して違反行為の改善又は期限付きの改善を命令する。地方環境保護部門は地方商務主管部門に対して企業の法規違反状況について通報して、処分決定書を提供し、また省クラスの環境保護部門を通じて国家環境保護総局に申告し、環境保護総局はこれを総括した上で商務部に通報する。商務部は環境保護総局が通報した法規違反企業のリストや処分決定書を地方の商務主管部門に通達し、また、地方商務主管部門が環境保護部門の提供した処分決定書をもとに関係輸出企業からの輸出業務申請受理を一時停止する権限を付与する。この輸出業務申請には、輸出割当許可証申請、加工貿易契約又は事業認可に伴う加工貿易経営状況証明及び生産能力証明、輸出商品交易会及び博覧会出展並びにブース申請等が含まれる。

地方商務主管部門は省クラスの商務主管部門を通して当該企業の輸出申請状況を商務部に申告し、商務部は「対外貿易法」第34条並びに第63条に基づき、当該企業が1年以上3年以下の期間内に対外貿易経営活動に従事することを停止するとともに、処分決定を地方商務主管部門に通達し、地方商務主管部門は同期間内において関連輸出企業の輸出業務申請の受理を停止する。環境保護部門から行政罰に処された企業は法規違反行為を改善した上で環境保護部門の完了検査を受け、環境保護部門は商務主管部門に通報する。商務主管部門はこの通報をもとに、当該企業の輸出業務申請受理を再開する。

 各クラスの輸出割当並びに許可証発給機関は、輸出割当並びに許可証の発給に際して申請企業の環境法規違反を発見した場合、許可証の発給をせず、状況を現地の商務主管部門に通報する。

(4) 企業環境監督員の試験的実施
 
貿易黒字が拡大し、急速に成長し、環境問題が顕著な業種(鉄鋼、化学、セメント、紡績、軽工業等)は他の業種に率先して企業環境監督員制度を実施するものとする。企業は環境管理機関を設け、環境監督員を専任して、企業の環境指標の検査・記録を行い、定期的に現地の商務部門及び環境保護部門に定期的に報告し、またいつでも検査を受け入れ、企業環境状況を定期的に公開して、世論からの監督を受け入れなければならない。

 (5) 輸出企業に対する環境保護法規の政策の宣伝及び研修を強化する
 
環境保護部門は環境保護関連法規の宣伝教育を幅広く展開し、一般公衆の環境監督管理への参画を促進し、企業の環境行為の規範化を進める上で業界団体、商会等の役割を発揮させる。世論に対する宣伝を強化し、環境保護の面で優秀な企業を表彰する一方、法規に違反し汚染の深刻な企業を暴露する。輸出企業及びその責任者の環境保護法規遵守のための研修を定期的に実施し、遵法意識と環境保護義務履行能力を高める。

(6) 部門間の協力を強化する。

省、市クラスの商務部門と環境保護部門による作業チームの設立や両部門の情報共有体制の構築を進める。商務部門は環境保護に大きな影響を及ぼす企業の輸出申請を審査する際に環境保護部門から意見を徴する。環境保護部門は法規違反に対する処分状況や資料を定期的に商務部門に通報する。

(商務部ウェブサイト 10月12日)