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中国
【新エネルギー】

中国とインドのバイオマス燃料依存により将来水資源枯渇が進行 (07/10/13)
2007/11/22
中国【新エネルギー】

スリランカに本部がある国際水資源管理研究所のレポートによると、2030年までに世界の石油需要の7割近くを中国とインドが占めるようになり、両国は経済発展のため、コストの低いバイオ燃料への転換を進めることになる。

 しかし、バイオマス燃料作物の栽培には多くの水と土地を要するため、中国とインドも水不足問題はより一層深刻化する。「人口と人民の収入の増加に伴い食の多様化が進み、これに応じて食糧需要も拡大する」とレポートの執筆者ドフレイトル氏は指摘する。現段階においてさえ、このアジア2大国が食糧需要を賄うための十分な水資源を獲得することは相当困難になっている。

 一方、世界の石油価格高騰により、バイオ燃料への依存がますます高まっている。中国は2020年にはバイオエタノールの生産量を2002年の36億リットルから4倍の150億リットルに増やして国内のガソリン需要の4%を賄うよう計画している。インドも同じような遠大な目標を有している。

 ドフレイトル氏によると、中国とインドはいずれもトウモロコシとサトウキビを原料としてバイオ燃料を生産しようとしているが、これらはいずれも灌漑に対する依存が高い作物である。しかし、上記の生産目標を達成するためには、インドはサトウキビを16%増産し、中国はトウモロコシの作付を26%増やす必要がある。中国とインドのバイオ燃料作物によって水資源の持続的な使用を破壊し、その結果、穀物や野菜など食糧作物に影響を及ぼし、これら作物の輸入を増やすことになる。中国とインドの水資源はすでに高度開発や過剰開発が進んでおり、バイオ燃料作物の生産による代償のバランスを取ることが出来るのかどうか、疑問であるとしている。

 インドは水不足問題に対し数十億ドルを投じて全国の水供給の再分配を図っている。中国は目下巨費を投じて「南水北調」プロジェクトを進めているが、このプロジェクトによって地下水の広範な過剰開発を招きかねない。

 いずれにせよ、バイオ燃料は両国の水資源により大きな圧力をもたらすだろう。レポートは、中印両国にバイオ燃料生産方式を再検討するよう呼びかけ、甘コーリャンを品種改良するなど旱魃地区に適した作物によってエタノールを生産し、また、タイワンアブラギリやピナータ等によってバイオディーゼルを生産して、食糧や飼料生産との間で希少な水資源を争わないよう提唱している。

 (聯合早報 10月13日)