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【石炭】

中国政府、生産能力過剰の石炭化学事業を向こう3年停止 (09/12/31)
2009/12/31
中国【石炭】

 国家発展改革委員会と工業情報化部は30日、一部産業の生産過剰と重複建設について発表した。中国は向こう3年間、コークス、カーバイドの生産能力を単純に拡大する事業や参入基準に適合しない事業の許認可を停止し、合成アンモニアとメタノール事業については、「上大圧小」(新規事業の許認可と既存事業の停止をリンクさせること)、生産能力の置換を適用し、土地、環境保護、金融面でも監督管理を強化して違法事業を断固根絶する。また、現代的石炭化学試験事業についても今後3年間、原則として計画配置しない。

 近年、中国の石炭化学工業は盲目的な拡張が広がっているが、稼働率は低下が続いている。発展改革委員会産業協調司の李寧々副司長によると、中国の石炭液化事業の規模は合計4,000万トン超、石炭由来オレフィンの生産能力は2,000万トン、SNGは250億m3に上り、これらの事業の投資額はすでに1兆元を超えている。

 中国は世界最大の石炭化学生産国である。石炭化学工業は在来型石炭化学工業と現代的石炭化学工業の2種類に分けられ、前者は合成アンモニア、メタノール、コークスとカーバイド、後者には石炭由来オレフィン、DME(ジメチルエーテル)、SNG(代替天然ガス)、石炭由来エチレングリコールがある。

 在来型石炭化学の生産能力は近年急速な伸びを示しているが、供給過剰傾向はますます強まり、プラントの稼働率は絶えず低下している。メタノールの場合、輸入の激増もあって、今年の生産能力の稼働率はわずか42%に過ぎないにも関わらず、現在建設中のメタノール事業は25件、新規追加の生産能力は860万トンに上り、生産能力過剰に拍車をかけている。

 現代的石炭化学は投資額が巨額に上り、技術装備は複雑であり、大規模な建設は難しいが、石炭資源地区の一部地方政府は経済成長を一方的に追求する余り、環境や水資源、技術上の現実を省みることなく、大規模な事業計画を盲目的に進めている。

 李寧々副司長によると、中国の石炭化学工業に生産能力過剰が生じている原因として、石炭が多く石油が少ないという中国の資源的状況の他に、真実の市場情報がなかなか伝わらないこと、市場のグローバル化や化学製品のサイクル化に対する認識が薄いこと、短期的な収益と成長率のみを追求して資源面の優越性を経済面の優越性に転化できないことなどがある。

 (毎日経済新聞 12月31日)