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【石油・天然ガス】

豪ウッドサイドとペトロチャイナのLNG売買協議が失効 (10/01/06)
2010/1/6
中国【石油・天然ガス】

 オーストラリアのエネルギー企業Woodsideは4日、中国石油天然ガス股フェン公司(PetroChina)との年間300万トンのLNG協議が満期を迎えたが、更新について未だ合意が成立していないと発表した。

 PetroChinaは2007年にWoodsideと拘束力のない売買枠組み協議に調印し、Woodsideの経営するオーストラリア西部のBrowse事業から、2013〜2015年より15〜20年間、毎年200〜300万トンのLNGを輸入するよう計画していた。PetroChinaがWoodsideと結んだ売買協議の価値は合計450億豪ドル(400億ドル相当)に上るとされていた。しかし、中国石油国際事業部の関係者によると、同協議は2009年12月31日に満期になったが、PetroChinaとWoodsideは満期になる前に正式の売買契約に調印していない。

 中豪両社の枠組み協議が失効した理由には、Browse事業が予定通りに操業を開始するかどうか曖昧であり、天然ガス処理施設の立地も確定していないことや、Woodsideの資金不足問題(同事業には300〜500億豪ドルが必要)がある。また、昨年以降、金融危機により世界の天然ガス需要が大幅に減少し、LNG市場が買い手市場になったことも背景にあると見られている。

 中国石油天然ガス集団(CNPC)筋は、Woodsideとの枠組み協議が失効しても、中国国内への天然ガス供給には影響がないとしている。もともとWoodsideからのLNG供給は2013〜2015年の開始が予定されていたのと、CNPCがすでに4大天然ガス戦略ルート(西部・西南・東北・海上)を構築中だからである。

 しかし、中国石油大学の天然ガス問題専門家である劉毅軍教授は、天然ガスに将来過剰が生じることは不可避であるが、過剰の程度については世界経済回復の進み具合を見る必要があると指摘し、別の業界関係者は、現在少なくとも4ヵ所のLNGターミナルの建設を計画しているCNPCにとって、出来る限り多くの選択肢を残すことが得策であるとしている。

 (上海証券報・経済参考報 1月6日)