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【石油・天然ガス】

【論説】天然ガス供給先多元化戦略によってロシアに交渉打開を迫る中国 (10/01/07)
2010/1/12
中国【石油・天然ガス】

 中国石油学会天然ガス専門委員会委員、中国石油大学教授の劉毅軍氏は、中国と中央アジアの天然ガス協力の成功によって中露天然ガス交渉も今年は大きな進展が期待できるとの見通しを示した。以下、劉毅軍の発言要旨。

 中国の天然ガス供給の多元的な構造が形成されつつある。これにより、将来の天然ガスの総合的な供給が強力に保障されるだけでなく、エネルギーセキュリティの問題も緩和されよう。中国と中央アジア天然ガス協力の成功によって中露天然ガス交渉も今年は大きな進展が期待できる。

 2012年頃には、5大天然ガス供給源、すなわち国産天然ガス、輸入LNG、中央アジア天然ガス、ミャンマー天然ガス、ロシア天然ガスの5大ガス源からなる多元的な供給構造が形成される。

 4大石油・天然ガス輸入パイプラインの1つである中緬石油・天然ガスパイプラインは間もなく着工される。天然ガスと石油が並行するこのパイプラインが完成すると、中国西南部のエネルギーセキュリティが強力に保障される。

 中国・中央アジア天然ガスパイプラインは昨年12月14日に正式に開通し、今年は生産量の拡大も見込まれる。トルクメニスタンの天然ガスはすでに中国国内の第2西気東輸パイプラインの西ブロックに入っており、今月中旬にも供給が開始される。

 中露天然ガス交渉も中国と中央アジア天然ガス協力に推進される形で、今年は飛躍的に進展するだろう。中国国内の天然ガス生産は引き続き安定し、炭層ガスの開発利用規模も一層拡大する。一方、ペトロチャイナ、シノペック、中国海洋石油の3大国有石油会社が運営する沿海部のLNGターミナルが相次いで稼動することになり、中国の天然ガス供給にますます多元的な構造が形成される。

 (香港文匯報 1月7日)