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【エネルギー全般・政治経済】

中国国務院、生産能力過剰産業の整理に本腰 厳重な融資規制も (10/03/05)
2010/3/8
中国【エネルギー全般・政治経済】

 中国経済の金融危機脱却に伴い、中国経済の深層レベルの構造矛盾解決もかつてなく本格化している。専門家によると、経済構造調整の目的は経済成長の質を高めることにあるが、それには粗放型から集約型成長モデルへの転換と時代遅れの生産能力の淘汰を産業構造調整の切り口にすることが求められる。

 国務院常務会議は先頃、「時代遅れの生産能力淘汰のさらなる強化に関する通達」を決定し、時代遅れの生産能力淘汰に3つの厳重手段を採ることを求めた。これにより、国務院の14部局は「共同作業」によって厳重な措置を採ることになる。

 同「通達」は、淘汰の重点を、電力、石炭、鉄鋼、セメント、非鉄金属、コークス、製紙、皮革、捺染等の産業とし、今年と来年の淘汰の目標を確定した。また、外部環境、経済手法、厳重な法の適用並びに処罰の3つの側面から、生産能力過剰産業の撤退を全面的に図る。

 すでに金融関係部門は関連政策を打ち出し、発展改革委員会の承認を得ていない生産能力過剰産業に対する新規融資の停止を明確にしたとのこと。銀行業監督管理委員会等の関係部門は、銀行に対し、エネルギー消費と排出の大きい産業や生産能力過剰産業への融資を厳重に抑制するよう求めた。6大生産能力過剰産業と造船業の新規事業については、国家発展改革委員会の承認した事業以外、一律に融資を禁止する。

 また、産業構造調整によってこれまで各地の投資の急増過程における信用リスクがますます顕在化する可能性があるため、銀行は6大生産能力過剰産業と造船業の継続事業に対して一つ一つ審査し、所定の基準や手続きに合致しない場合、貸し付け済みの資金を適切な方法で保全を図ることが求められる。この審査は3月末までに完了し、その後、監督機関も専門検査を行うことになる。

 「通達」はその他に、生産能力過剰産業の土地利用に対する規制の強化、エネルギーと排出の大きい製品の需要抑制や輸出規制、資源価格改革、時代遅れの生産能力に対する差別的な電力、水道、ガス価格の適用並びに拡大、強化、環境税の研究、国が淘汰を命令する生産技術、装備、製品の輸入、移転、生産、販売、使用の禁止、環境評価の厳格化、時代遅れの生産企業に対する電力供給の停止などを求めている。

 関係者によると、投資と輸出に依存する経済成長パターンは持続困難であり、構造調整は差し迫った課題。新たな情勢の下で、重点産業の回復の勢いを固めることは極めて重要であるが、同時に産業配置の改善、過剰生産能力の整理、時代遅れの生産能力の淘汰、再編の推進、技術改造、構造調整と発展方式の転換を促進する体制と仕組みの確立が求められる。

 (上海証券報 3月5日)