中国の石油製品価格の指標となるブレント、ドバイ、シンタの原油価格の上昇率はすでに4%に達しているが、中国西南5省の干害の影響で中国国内のインフレ懸念が深刻化し、そのため、4月初頭に国内石油製品が値上げされるかどうか、不透明な状況になっている。 中国の石油製品価格の調整は昨年11月9日が最後であったが、3月24日までの22営業日のブレント、ドバイ、シンタの原油価格の上昇幅はすでに4%に達し、石油製品価格調整の条件は備わっている。また、西南地区の干害対策需要は石油製品価格の押し上げ要因になっている。 しかし、西南5省の大規模な干害や農耕用の石油需要が高まる中で、政府は石油製品の値上げに踏み切るのだろうか。 石油価格とCPIの相関関係から見ると、石油価格が10%上昇すると、CPIは0.16%上昇する。2月のCPI上昇率が2.7%、PPI上昇率が5.4%であったことを考えると、もし3月末に石油製品価格を値上げした場合、燃料や原料として石油を使っている企業はコスト増になり、国内のCPIを引き続き押し上げることになろう。 当面の経済状況や、通年のCPIを3%に押さえるとの政府の目標、西南の大型干害の現状などを総合的に考えると、石油製品の値上げに踏み切るかどうかは不透明な状況である。 (毎日経済新聞 3月31日)
中国の石油製品価格の指標となるブレント、ドバイ、シンタの原油価格の上昇率はすでに4%に達しているが、中国西南5省の干害の影響で中国国内のインフレ懸念が深刻化し、そのため、4月初頭に国内石油製品が値上げされるかどうか、不透明な状況になっている。
中国の石油製品価格の調整は昨年11月9日が最後であったが、3月24日までの22営業日のブレント、ドバイ、シンタの原油価格の上昇幅はすでに4%に達し、石油製品価格調整の条件は備わっている。また、西南地区の干害対策需要は石油製品価格の押し上げ要因になっている。
しかし、西南5省の大規模な干害や農耕用の石油需要が高まる中で、政府は石油製品の値上げに踏み切るのだろうか。
石油価格とCPIの相関関係から見ると、石油価格が10%上昇すると、CPIは0.16%上昇する。2月のCPI上昇率が2.7%、PPI上昇率が5.4%であったことを考えると、もし3月末に石油製品価格を値上げした場合、燃料や原料として石油を使っている企業はコスト増になり、国内のCPIを引き続き押し上げることになろう。
当面の経済状況や、通年のCPIを3%に押さえるとの政府の目標、西南の大型干害の現状などを総合的に考えると、石油製品の値上げに踏み切るかどうかは不透明な状況である。
(毎日経済新聞 3月31日)