国際エネルギー機関(IEA)は10日、中国石油企業の今年の海外投資額は昨年の182億ドルを上回るとの予想を示した。

　IEAの最新月次報告によると、2009〜2010年4月において中国三大石油企業（CNPC・Sinopec・CNOOC）が世界の石油・天然ガス資産買収に費やした資金は290億ドル前後に上る。

　Ernst & YoungのAndy Brogan氏は、今年も中国の石油企業は海外M&Aを一層拡大すると指摘、これは中国の国家戦略によって決まるものであり、国が中国石油企業の海外M&Aを支援しているとしている。

　IEAの予想では、2010年の世界の石油需要量は170万b/d増えるが、中国の石油需要の増加分は目下、世界の増加分の40％を占めている。さらに、2010〜2015年にはこの比率が45％近くに上昇する。

　IEAのレポートによると、CNPCとSinopecは、直接投資以外にも、8ヵ国との間で11件の「石油と融資の交換」を行っており、総額は770億ドルに上る。また、CNPCとSinopecは海外探査開発事業に少なくとも180億ドルを投資することを公約しているが、その大部分はイランとイラクが対象になる。

　（毎日経済新聞 6月11日）