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【石油・天然ガス】

ペトロチャイナが「南新疆ガス化戦略」を全面実施 (10/07/15)
2010/7/16
中国【石油・天然ガス】

 中央新疆工作会議を受けて、中国石油天然ガス股フェン公司(PetroChina)は新疆地区における事業拡大を加速させている。

 PetroChinaタリム油田の責任者によると、PetroChinaは2010年に「南新疆ガス化戦略」を全面的に実施する計画である。南新疆の大多数の県以上の地区で天然ガス化を実施し、新疆における石油、天然ガス、天然ガス系エチレン、芳香族炭化水素、ポリエステルなど大型化学産業の配置を完了する。

 PetroChinaの南新疆天然ガスプロジェクトは総投資額62億元、天然ガスパイプライン網や付帯施設を建設する。天然ガスパイプラインは6本の基幹線と6本の支線を敷設する。全体計画はすでに完成しており、7月14日にはカシュガル−沢普間が着工した。他の区間も今後次々に着工され、全工事は2012年に完了する。

 PetroChinaの関係者によると、2〜3年内にカシュガル地区、ホータン地区やクズルス・キルギス自治州の3地区をカバーする総延長2,500kmの天然ガスパイプライン網を建設する。現地の25の県級都市と21の新疆兵団農牧団場で天然ガスが利用可能になる。

 2012年に「南新疆ガス化」プロジェクトがすべて完成すると、標準炭換算で石炭266万トンに当たる年間20億m3の天然ガスを消費し、CO2を520万トン削減する。

 また、7月14日には、タリム化学肥料プロジェクトも操業を開始した。19日には100万トンのPXプロジェクトも稼動する。PetroChinaの計画によると、2020年には新疆の石油・天然ガス生産量は石油換算で6,000万トン以上になり、大慶を超える。20年間の安定生産が可能。製油能力は3,050万トン、エチレン生産は122万トン、石油備蓄能力は1,500万m3に達する。また、国際パイプラインによる石油・天然ガス輸入量は石油換算で1億トンを超える。

 PetroChinaは新疆の石油化学産業も重点的に発展させており、天山山脈の南北には、独山子・カラマイ、ウルムチ、クチャ、ハミ・トルファンの4大石化基地が形成されている。石油と天然ガスを原料とする石油化学産業は、地方の中小化学企業の急成長も促すことだろう。

 (毎日経済新聞 7月15日)