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【石油・天然ガス】

中露原油パイプラインが10月開通 年間供給量1,500万トン CNPCとRosneftの契約確定 (10/08/02)
2010/8/3
中国【石油・天然ガス】

 《毎日経済新聞》が得た情報によると、中露原油パイプラインは10月末に開通、稼動し、ロシアは中国へ年間1,500万トンの原油を供給することになり、その後さらに供給量を増やす。

 中国石油天然ガス集団(CNPC)はすでにRosneftと原油長期輸入契約と価格を確定したとのことである。アナリストの見方によると、ESPOパイプライン(東シベリア−太平洋パイプライン)の原油輸出価格はドバイ原油価格に連動するかそれよりも若干低くなる公算である。

 中国石油管道局の幹部によると、現在の工事の進捗状況から見て、中露原油パイプラインは10月31日に完成、稼動する。

 価格は中東ドバイ原油に連動か

 CNPCとRosneftはすでに長期契約と価格について確定したが、具体的な期限や価格計算方式は明らかにされていない。

 中国石油大学の陳大恩副校長によると、この種の大口原油取引の場合、月々に決済を行い、双方が協議の上、特定の原油相場を選択して基準価格とする。

 石油産業アナリストによると、ESPOパイプラインは約500万トン(3,670万バレル)の原油を輸出したが、平均価格は1バレル77.8〜78.4ドル。現在、ESPO原油価格はドバイ原油に連動している。

 陳大恩副校長は、ドバイ原油価格に連動する可能性が高いのは、両者の原油の品質が似ており、価格決定の参考にすることが出来るからである。ドバイ原油を基礎に若干の値引き(1バレル約0.3〜1.6ドル)がされるだろう。

 アナリストは、値引きは主に技術的要因によると指摘する。東シベリア原油の供給には2週間を要し、ドバイ原油は2〜3ヶ月を要する。スポット価格が先物価格より低い場合、ドバイ原油価格は常に若干高くなるからである。

 原油の最終供給先をめぐって中露になお隔たり

 中国石油管道局の関係者は、「1,500万トンはすでにRosneftがESPOパイプライン経由で中国に供給する上限量。もしこの上限を超える場合、Rosneftはスポット市場から原油を調達して差額分を補填しなければならない」と予想する。

 但し、1,500万トンの原油供給をめぐって、CNPCとRosneftには依然隔たりがある。RosneftはESPOパイプラインによって輸送する原油のすべてを中露合弁の天津製油所に供給することを希望しているが、CNPCは一部原油を東北各省に供給することを希望している。

 輸入原油は中国に輸入されてから国内で改めて分配され、CNPCであれ、中国石油化工(Sinopec)であれ、あるいは地方製油所であれ、必要なものに販売することになる。

 但し、天津合弁製油所については2006年に中露間で合意されたものの、未だに実質的な進展を見ていない。

 最新情報によると、中露双方はこの件で原則一致がなり、Rosneft側が今月北京を訪問する予定であるとのこと。その時に天津製油所の合弁建設に関する最終協議書が調印されるだろう。天津製油所の投資額は40〜50億ドルに上る。

 もっとも、CNPCの寥永遠副総経理(副社長)によると、中露原油パイプラインの設計には今後送油量を拡大する余地が残されており、送油能力を年間3,000万トンに高めることも期待できる。CNPCは目下送油量増加について実証を進めているが、ロシアとの交渉は開始していない。

 ESPOパイプラインによる混合原油の供給規模は、年間3,000万トンから将来は5,000万トンに達する見込みもある。

 (毎日経済新聞 8月2日)