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中国
【石油・天然ガス】

RosneftがGazpromと共同の対中天然ガス供給を検討 (10/11/16)
2010/11/17
中国【石油・天然ガス】

 ロシア国営石油会社Rosneftは天然ガス会社Gazpromとの間で未だ対中天然ガス共同供給で合意していないが、ロシア政府はすでにGazpromに対して、中国に天然ガスを供給するアルタイ天然ガスパイプラインへのRosneftの連系を検討するよう求めている。

 Rosneftのエドゥアルト・クダイナトフ(Eduard Khudainatov)社長は9月末、中国への天然ガス輸出の意向を表明していたが、具体的なスケジュールや供給量については明らかにしていない。但し、クダイナトフ社長は、この問題についてGazpromのミレル社長と近々討議すると表明していた。

 Rosneft筋によると、両社の会談は未だ行われておらず、同社のスポークスマンもこの件についてコメントしていない。しかし、プーチン首相が10月にノービ・ウレンゴイで開いたエネルギー問題についての会議で、この問題が討議された。ロシア政府はRosneftとGazpromに対して、RosneftのYurubcheno-Tokhomskoyeガス油田(クラスノヤルスク地方所在)の開発並びに同ガス田の天然ガスを、Gazpromが建設を計画しているアルタイパイプラインによって中国に輸出することを検討するよう求めた。

 アルタイパイプラインは年間輸送能力300億m3で、2015〜2018年に開通する計画。Yurubcheno-Tokhomskoyeガス油田の埋蔵量は天然ガス3,873億m3、石油6,450万トン。Rosneftは2012年より開発に着手する計画である。また、Gazpromのデータによると、同ガス油田の天然ガス生産はピークには年間46億m3に達するとされているが、いつごろこのレベルに達するかは明記されていない。

 RosneftとGazpromのスポークスマンは、首相の下達した指示について未だコメントを発表していない。Rosneftの某社員によると、Yurubcheno-Tokhomskoyeガス油田は主に石油を採収する段階であり、天然ガスを同時に採収することは考えていない。同社員は「中国へは他の事業から天然ガスを輸出するだろう。主にサハリン1になる」と述べた。

 サハリン1については、2006年に中国石油天然ガス集団(CNPC)と協力覚書に調印し、中国へ年間80億m3の天然ガスを供給する計画であるが、中国へのパイプラインは未だ敷設されておらず、LNGを生産する予定もない。

 Metropol社のアナリストは、Rosneftが、サハリン1以外の事業から中国へ天然ガスを供給する可能性を指摘する。すなわち、Kharampurskoyeガス田事業から中国へ供給する計画であり、同事業は2013〜2016年に稼動する予定である。Kharampurskoyeガス田の年産能力は最大200億m3。ヤマル・ネネツ自治区にあるので、アルタイパイプラインを通して中国に供給するには、Gazpromと天然ガススワップで合意することが必要になる。しかしながら、Gazpromは、西シベリアのガス田から余剰の天然ガスを回すことは出来ないとしている。

 (俄新網 RUSNEWS.China 11月16日)