《2010年中国低炭素発展報告》が2月25日、北京で発表された。この研究報告書は第12次5ヵ年規画期における関連政策の策定に有益な参考を提供することが目的として、清華大学気候政策センターがまとめたものである。 報告書はハイレベルの編纂委員会の指導と援助の下に完成した。編纂委員会には、中国の著名なエネルギー並びに気候変動の多数の専門家も参加した。報告書の発表会では、報告書の編集長であり、清華大学気候政策センター主任、清華大学公共管理学院教授である斉●氏が報告書の内容について説明した。発表会に参加した専門家は、報告書の研究内容を高く評価し、同報告書が中国の低炭素政策について、全面的、徹底的に評価分析を行なったとの見方で一致した。また、詳細かつ正確なデータと専門的な分析によって、中国の低炭素発展の成果や世界への貢献を客観的に示したとし、中国の低炭素発展政策の策定や実施において参考とする価値が極めて高いと評価した。 《2010年中国低炭素発展報告》によると、第11次5ヵ年規画期において、中国は同規画が打ち出したエネルギー消費強度を20%引き下げるという省エネ目標に向けて着実に前進し、2002年から2005年のエネルギー強度の上昇傾向を効果的に逆転させ、低炭素に向けた転換に成功した。中国のCO2排出強度も大幅に低下した。このことはエネルギー消費効率がこの段階における中国の低炭素化にとって重要な鍵であることを示している。その他の低炭素政策や措置、例えば再生可能エネルギーの開発や炭素吸収源プロジェクトなどによっても、今後、中国の炭素強度の低下スピードはエネルギー強度の低下スピードを上回ることになろう。 同報告の分析から、第11次5ヵ年規画期における省エネ政策の高い効力は、強力な上意下達の行政措置と政府の財政投入に依存していたことも分かった。効率的な経済手段、法的措置や市民の参与による効果を十分に発揮せしめれば、行政リソースと財政リソースの効率を向上させることになる。第11次5ヵ年規画期において大量の省エネ・排出削減のポテンシャルが掘り起こされた。そのことは、「上大圧小」(訳注:小型火力発電所の閉鎖と大型火力発電所の建設をリンクさせること)、時代遅れの生産能力の淘汰の面で特に顕著である。第12次5ヵ年規画期に省エネと炭素削減をより一層進めることで、コストが大幅に上昇することは間違いない。経済発展にとっては大きなチェレンジとなる。 今回の研究では、中国のエネルギー、工業、建築、運輸及び農業、林業等の部門における低炭素の実績や、省エネ・排出削減政策に対して、初めて全面的、総合的な評価分析を行なった。中でも、電力と工業部門が炭素排出削減のポテンシャルが最も大きく、一方、林業部門が炭素吸収源の増加に大きな貢献を果たしていることが分かった。 第11次5ヵ年規画期の最初の3年間で電力部門のCO2排出量は28%増加したが、「上大圧小」等の措置によって、発電と送電・変電のエネルギー効率がいずれも著しく向上し、電力供給の石炭消費は3年間で7%下がり、発電の石炭消費は同じく6%下がった。火力発電のエネルギー効率向上や非化石エネルギーの発展によって、電力事業の2008年の炭素排出強度は2005年に比べ6.5%下がった。 2005〜2008年に工業部門の生産高当たりのCO2排出は14.8%下がり、工業生産高当たりのエネルギー消費は13.3%減少した。構造調整がCO2排出とエネルギー消費の低下を推し進めた。重工業の成長率は他の業種に比べ鈍化し、高付加価値製品の生産量の比率が上昇した。その他にも、製品単位のエネルギー消費が著しく下がった。2005〜2009年に、鉄鋼の製品単位のエネルギー消費は5%近く下がり、セメントは17%、銅精錬は35%下がった。様々な省エネ政策は上意下達の行政措置であり、その資源投入度は高く、今後も省エネ・排出削減目標達成には、より多くの効果的な経済手段が必要である。 斉●教授は、「第12次5ヵ年規画を展望して、省エネと炭素削減は、一方では現行の有効な政策措置を推進することを堅持しなければならないが、もう一方では、政策のコスト・パフォーマンスを常に改善することも必要だ。目下我々は、「上大圧小」や企業1,000社の省エネ活動に関連する政策の有効性について徹底的に研究し、政策効果を高めるようにしている」と表明した。 (美通社 2月25日) ●…「日」ヘンに「華」
《2010年中国低炭素発展報告》が2月25日、北京で発表された。この研究報告書は第12次5ヵ年規画期における関連政策の策定に有益な参考を提供することが目的として、清華大学気候政策センターがまとめたものである。
報告書はハイレベルの編纂委員会の指導と援助の下に完成した。編纂委員会には、中国の著名なエネルギー並びに気候変動の多数の専門家も参加した。報告書の発表会では、報告書の編集長であり、清華大学気候政策センター主任、清華大学公共管理学院教授である斉●氏が報告書の内容について説明した。発表会に参加した専門家は、報告書の研究内容を高く評価し、同報告書が中国の低炭素政策について、全面的、徹底的に評価分析を行なったとの見方で一致した。また、詳細かつ正確なデータと専門的な分析によって、中国の低炭素発展の成果や世界への貢献を客観的に示したとし、中国の低炭素発展政策の策定や実施において参考とする価値が極めて高いと評価した。
《2010年中国低炭素発展報告》によると、第11次5ヵ年規画期において、中国は同規画が打ち出したエネルギー消費強度を20%引き下げるという省エネ目標に向けて着実に前進し、2002年から2005年のエネルギー強度の上昇傾向を効果的に逆転させ、低炭素に向けた転換に成功した。中国のCO2排出強度も大幅に低下した。このことはエネルギー消費効率がこの段階における中国の低炭素化にとって重要な鍵であることを示している。その他の低炭素政策や措置、例えば再生可能エネルギーの開発や炭素吸収源プロジェクトなどによっても、今後、中国の炭素強度の低下スピードはエネルギー強度の低下スピードを上回ることになろう。
同報告の分析から、第11次5ヵ年規画期における省エネ政策の高い効力は、強力な上意下達の行政措置と政府の財政投入に依存していたことも分かった。効率的な経済手段、法的措置や市民の参与による効果を十分に発揮せしめれば、行政リソースと財政リソースの効率を向上させることになる。第11次5ヵ年規画期において大量の省エネ・排出削減のポテンシャルが掘り起こされた。そのことは、「上大圧小」(訳注:小型火力発電所の閉鎖と大型火力発電所の建設をリンクさせること)、時代遅れの生産能力の淘汰の面で特に顕著である。第12次5ヵ年規画期に省エネと炭素削減をより一層進めることで、コストが大幅に上昇することは間違いない。経済発展にとっては大きなチェレンジとなる。
今回の研究では、中国のエネルギー、工業、建築、運輸及び農業、林業等の部門における低炭素の実績や、省エネ・排出削減政策に対して、初めて全面的、総合的な評価分析を行なった。中でも、電力と工業部門が炭素排出削減のポテンシャルが最も大きく、一方、林業部門が炭素吸収源の増加に大きな貢献を果たしていることが分かった。
第11次5ヵ年規画期の最初の3年間で電力部門のCO2排出量は28%増加したが、「上大圧小」等の措置によって、発電と送電・変電のエネルギー効率がいずれも著しく向上し、電力供給の石炭消費は3年間で7%下がり、発電の石炭消費は同じく6%下がった。火力発電のエネルギー効率向上や非化石エネルギーの発展によって、電力事業の2008年の炭素排出強度は2005年に比べ6.5%下がった。
2005〜2008年に工業部門の生産高当たりのCO2排出は14.8%下がり、工業生産高当たりのエネルギー消費は13.3%減少した。構造調整がCO2排出とエネルギー消費の低下を推し進めた。重工業の成長率は他の業種に比べ鈍化し、高付加価値製品の生産量の比率が上昇した。その他にも、製品単位のエネルギー消費が著しく下がった。2005〜2009年に、鉄鋼の製品単位のエネルギー消費は5%近く下がり、セメントは17%、銅精錬は35%下がった。様々な省エネ政策は上意下達の行政措置であり、その資源投入度は高く、今後も省エネ・排出削減目標達成には、より多くの効果的な経済手段が必要である。
斉●教授は、「第12次5ヵ年規画を展望して、省エネと炭素削減は、一方では現行の有効な政策措置を推進することを堅持しなければならないが、もう一方では、政策のコスト・パフォーマンスを常に改善することも必要だ。目下我々は、「上大圧小」や企業1,000社の省エネ活動に関連する政策の有効性について徹底的に研究し、政策効果を高めるようにしている」と表明した。
(美通社 2月25日)
●…「日」ヘンに「華」