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【石油・天然ガス】

CNPCからロシアへの原油代金未払い問題は未だ完全には解決せず (11/06/01)
2011/6/2
中国【石油・天然ガス】

 中国石油天然ガス集団(CNPC)はロシアの企業に未払いの原油代金を支払い、ロシア副首相セーチンは「問題は解決済み」としているが、石油と天然ガスをめぐる両者の交渉は依然続いている。

 ロシアのプーチン首相と中国の王岐山副首相は会談を行い、対中天然ガス供給問題並びに原油供給契約をめぐる問題について討議した。2009年、ロシア石油会社Rosneftと石油パイプライン会社Transneftは、2030年まで中国に年間1,500万トンの原油を供給する契約を結ぶとともに、Rosneftは中国側から150億ドル、Transneftは100億ドルの融資を獲得した。しかし、今年初め、双方の間に輸送価格をめぐって隔たりが生じ、中国側は一方的に支払額を減額したため、ロシアは法廷に訴えると脅していた。

 ロシア副首相セーチンは5月31日、「(石油をめぐる)あらゆる隔たりはすでに取り除かれた」と表明したが、ロシア側の企業はそのようには考えていない。消息筋によると、中国側は合計1.95億ドルを支払ったものの、依然として2.5億ドル不足している。中国側は輸送価格係数の面でやや軟化したものの、今なお交渉は継続している。別の消息筋によると、中国側は年間供給量を3,000万トンに増やすことを要求しているが、この問題が解決するかどうかは未知数である。

 中露両国政府の報道官や、Rosneft、Transneftのスポークマンもこの件についてコメントを避けている。ロイターの報道によると、Transneftのスポークスマンは、未払い金の4分の3に相当する金額が支払われたとしているが、残りがいつ支払われるかについては明らかにしていない。
 
 ロシア側の消息筋によると、5月31日の交渉において、輸送費係数を1バレル3ドルに設定する問題が討議された。Transneftのトカレフ社長がセーチンに宛てた手紙によると、こうした修正によって、Rosneftは年間1.96億ドルの損失になり、Transneftは1.31億ドルの損失になる。

 6月1日の「コメルサント」紙の報道によると、Troika Dialog社の専門家は、中国側との対話は極めて困難であり、中国は極めて手強い交渉相手であるが、ロシア側は供給停止を手段として問題を解決するには及ばないとしている。また、Alor Invest社の専門家は、中国への供給を中断すれば、Rosneftの東シベリア油田事業は赤字になるとし、また、パイプライン建設に巨額の資金を投入しているTransneftにとっても、供給中断は賢明な策ではないとしている。また、ロシアは中国側と天然ガス供給についても交渉を進めており、石油供給をめぐる問題が、それ自体困難である天然ガス交渉にマイナスの影響を及ぼす可能性があるとしている。

 (俄新網 RUSNEWS.China 6月1日)