最近の報道によると、国家発展改革委員会の関係幹部は国が近く《中国温暖化ガス自発的排出削減取引活動管理弁法(暫定)》を制定することを明らかにした。業界の大方の予想によると、同弁法の制定によって必然的により多くの中国企業が国内の自発的排出削減市場に参入するようになり、自発的排出削減市場の活発な発展が推進されることになる。 2011年6月26日、中国企業の自発的排出削減2011年度ランキングが北京で発表された。これは温暖化ガスの自発的排出削減量を主な測定指標とする初の企業ランキングである。 北京環境取引所の唐茂松董事長(会長)は今回の発表会において「中国証券報」記者からインタビューを受けた際に、管理弁法は、取引商品、取引の場所、取引のルール、登録・登記、監督管理システムなどの各側面から、自発的排出削減取引市場に対して詳細な線引きと規範化を進めることになると述べた。また、唐茂松董事長は、中国の特定区域の特定産業において炭素取引実験を行なうことについて、検討作業が水面下で急がれていることも明らかにした。 「京都議定書」の規定によって先進国は一定の排出削減義務を負わされているが、発展途上国である中国が義務を負う必要は全くない。そのため、中国国内で主流になっているのは依然として自発的排出削減市場である。 北京環境取引所の梅徳文総経理(社長)がかつて講演した際に行なった説明によると、国際炭素市場は義務的な排出削減と先物取引が主であるのに対し、中国は依然として自発的排出削減と現物取引が主であり、国際間の義務的排出削減並びに先物取引とは相当の隔たりがある。 自発的排出削減とは自発的にCO2排出削減に参加する形式であり、2008年の取引額は世界のわずか0.54%、2009年は0.27%を占めたに過ぎず、比重は相当低い。2010年の世界の自発的炭素排出削減市場の取引量は1.31億トンに達したが、義務的炭素排出削減市場の取引量に比べると依然として大きな差がある。 一方、中国企業の2010年度自発的排出削減ランキングを見ると、上位企業の産業は主に保険・金融やハイテク分野に分布しており、エネルギー多消費企業はまれである。 例えば、排出削減量の自発的購入によってカーボンニュートラルを中国で初めて実現した企業は天平保険である。同公司は2009年8月5日、オリンピック会期中の北京グリーン交通活動から発生した8,026トンの炭素排出削減指標を購入した。 2010年末に天平保険は北京環境取引所の場内取引で再び自発的排出削減取引を行い、湖南東坪水力発電事業からCO2排出削減量1,428トンを購入し、これにより2009年度の本社と全国の子会社の経営過程において発生する全排出量をオフセットした。 国家林業局造林緑化管理司副司長であり、中国グリーンカーボンシンク基金会の事務局長である李怒雲氏は、「中国証券報」からのインタビューを受けた際に、温暖化ガスの総量規制なくして中国の炭素市場はないと表明した。総量規制がないうちは、自発的市場しかなく、企業の社会責任や予防の意識を体現している。 これより先、スイスのSouth Pole Carbon Asset Management Ltdの北京代表部首席代表であるCaspar Chiquet氏は、記者の取材に対し、中国国内の自発的炭素取引市場は未成熟であり、2つの問題があると指摘した。一つは排出量の計算基準が規範化されていないこと。広く認知されている統一的な基準によってどれだけの炭素を排出しているかを認定しているわけではない。もう一つは、購入した排出削減量についても、通常の場合、第三者が開発し広く認知されている国際基準はない。 色も形もないCO2を商品として取引することを本当に実現しようとするのなら、「最も基礎的なことは財産権を明確にしなければならないということだ」と李怒雲氏は考えている。このことは、いかにして科学的な標準によってCO2の排出量と削減量の計量、モニタリング、認定を行なうかに関わる。 自発的排出削減市場の標準は決して統一されていない。あるデータによると、国際間で自発的排出削減市場の標準は14種類もある。現在、自発的排出削減取引の買主の多くが先進国の企業や機関であるため、使用される標準もが外国のものになる。現在中国国内で比較的多く使用されている3大国際自発的排出削減標準には、VCS、Gold Standard、Social Carbonがある。この3大自発的排出削減標準の組織はいずれも国際NGOである。 2009年12月16日、COP15のサイドイベントにおいて、北京環境取引所が開発したパンダ標準がお目見えした。これは中国初の排出削減標準と呼ばれている。 今年3月29日、方興地産は北京環境取引所を通して16,800トンの自発的炭素排出削減量を購入した。これもまたメディアにおいて「パンダ標準による初の炭素排出削減量取引」と宣伝された。 「パンダ標準」は主に農業、林業、土地利用など大型農業のコンセプト事業に適用され、排出削減以外に、救貧やエコロジー排出削減の機能も負っているとのことである。 しかしながら、パンダ標準をめぐる争論も一貫して存在している。 李怒雲氏が記者に告げたところによると、彼等が従事しているグリーン林業のカーボンシンクでも標準の構築を積極的に模索しており、すでにカーボンシンク商品の生産、計量、モニタリング、審査、認証、登録のワンセットのシステムを基本的に構築している。 (第一財経日報 6月29日)
最近の報道によると、国家発展改革委員会の関係幹部は国が近く《中国温暖化ガス自発的排出削減取引活動管理弁法(暫定)》を制定することを明らかにした。業界の大方の予想によると、同弁法の制定によって必然的により多くの中国企業が国内の自発的排出削減市場に参入するようになり、自発的排出削減市場の活発な発展が推進されることになる。
2011年6月26日、中国企業の自発的排出削減2011年度ランキングが北京で発表された。これは温暖化ガスの自発的排出削減量を主な測定指標とする初の企業ランキングである。
北京環境取引所の唐茂松董事長(会長)は今回の発表会において「中国証券報」記者からインタビューを受けた際に、管理弁法は、取引商品、取引の場所、取引のルール、登録・登記、監督管理システムなどの各側面から、自発的排出削減取引市場に対して詳細な線引きと規範化を進めることになると述べた。また、唐茂松董事長は、中国の特定区域の特定産業において炭素取引実験を行なうことについて、検討作業が水面下で急がれていることも明らかにした。
「京都議定書」の規定によって先進国は一定の排出削減義務を負わされているが、発展途上国である中国が義務を負う必要は全くない。そのため、中国国内で主流になっているのは依然として自発的排出削減市場である。
北京環境取引所の梅徳文総経理(社長)がかつて講演した際に行なった説明によると、国際炭素市場は義務的な排出削減と先物取引が主であるのに対し、中国は依然として自発的排出削減と現物取引が主であり、国際間の義務的排出削減並びに先物取引とは相当の隔たりがある。
自発的排出削減とは自発的にCO2排出削減に参加する形式であり、2008年の取引額は世界のわずか0.54%、2009年は0.27%を占めたに過ぎず、比重は相当低い。2010年の世界の自発的炭素排出削減市場の取引量は1.31億トンに達したが、義務的炭素排出削減市場の取引量に比べると依然として大きな差がある。
一方、中国企業の2010年度自発的排出削減ランキングを見ると、上位企業の産業は主に保険・金融やハイテク分野に分布しており、エネルギー多消費企業はまれである。
例えば、排出削減量の自発的購入によってカーボンニュートラルを中国で初めて実現した企業は天平保険である。同公司は2009年8月5日、オリンピック会期中の北京グリーン交通活動から発生した8,026トンの炭素排出削減指標を購入した。
2010年末に天平保険は北京環境取引所の場内取引で再び自発的排出削減取引を行い、湖南東坪水力発電事業からCO2排出削減量1,428トンを購入し、これにより2009年度の本社と全国の子会社の経営過程において発生する全排出量をオフセットした。
国家林業局造林緑化管理司副司長であり、中国グリーンカーボンシンク基金会の事務局長である李怒雲氏は、「中国証券報」からのインタビューを受けた際に、温暖化ガスの総量規制なくして中国の炭素市場はないと表明した。総量規制がないうちは、自発的市場しかなく、企業の社会責任や予防の意識を体現している。
これより先、スイスのSouth Pole Carbon Asset Management Ltdの北京代表部首席代表であるCaspar Chiquet氏は、記者の取材に対し、中国国内の自発的炭素取引市場は未成熟であり、2つの問題があると指摘した。一つは排出量の計算基準が規範化されていないこと。広く認知されている統一的な基準によってどれだけの炭素を排出しているかを認定しているわけではない。もう一つは、購入した排出削減量についても、通常の場合、第三者が開発し広く認知されている国際基準はない。
色も形もないCO2を商品として取引することを本当に実現しようとするのなら、「最も基礎的なことは財産権を明確にしなければならないということだ」と李怒雲氏は考えている。このことは、いかにして科学的な標準によってCO2の排出量と削減量の計量、モニタリング、認定を行なうかに関わる。
自発的排出削減市場の標準は決して統一されていない。あるデータによると、国際間で自発的排出削減市場の標準は14種類もある。現在、自発的排出削減取引の買主の多くが先進国の企業や機関であるため、使用される標準もが外国のものになる。現在中国国内で比較的多く使用されている3大国際自発的排出削減標準には、VCS、Gold Standard、Social Carbonがある。この3大自発的排出削減標準の組織はいずれも国際NGOである。
2009年12月16日、COP15のサイドイベントにおいて、北京環境取引所が開発したパンダ標準がお目見えした。これは中国初の排出削減標準と呼ばれている。
今年3月29日、方興地産は北京環境取引所を通して16,800トンの自発的炭素排出削減量を購入した。これもまたメディアにおいて「パンダ標準による初の炭素排出削減量取引」と宣伝された。
「パンダ標準」は主に農業、林業、土地利用など大型農業のコンセプト事業に適用され、排出削減以外に、救貧やエコロジー排出削減の機能も負っているとのことである。
しかしながら、パンダ標準をめぐる争論も一貫して存在している。
李怒雲氏が記者に告げたところによると、彼等が従事しているグリーン林業のカーボンシンクでも標準の構築を積極的に模索しており、すでにカーボンシンク商品の生産、計量、モニタリング、審査、認証、登録のワンセットのシステムを基本的に構築している。
(第一財経日報 6月29日)