1. HOME
  2. 中国 【エネルギー全般・政治経済】

中国
【エネルギー全般・政治経済】

第12次5ヵ年規画エネルギー発展の主要目標値が判明 (11/09/06)
2011/9/12
中国【エネルギー全般・政治経済】

 国務院参事であり国家エネルギー専門家諮問委員会主任でもある徐錠明氏は9月5日に開幕した「2011年中国クリーン燃料サミットフォーラム」において、国家第12次5ヵ年規画の主要エネルギー発展目標を明らかにした。

「現時点では国のエネルギー所管部門は未だ第12次5ヵ年エネルギー発展規画を公布していないが、主要な方向性は明確になっている」と、徐錠明氏は述べた。また、経済社会発展のために安全で安定的かつ経済的でクリーンなエネルギーの供給を確保することが第12次5ヵ年規画におけるエネルギー発展の根本的な任務だ」と述べた。徐錠明氏はかつて国家発展改革委員会能源局長や国家能源指導小組弁公室副主任を務めたことがある。

 徐錠明氏は講演の中で、第12次5ヵ年規画におけるエネルギー発展の3つの主要目標を次のように明らかにした。

 総量目標:一次エネルギー総消費量を40億tce(標準炭換算トン)に抑制する。うち石炭の総消費量を40億トン前後に、純輸入量を2億トンに抑制する。石油の総消費量を5億トン前後に、純輸入量を3億トンに抑制する。

 構造目標:一次エネルギー消費の中で非化石エネルギーの比率を11.4%にする。うち水力発電を9,200億kWh、原子力発電を3,200億kWh、風力発電を1,800億kWhとし、標準炭換算で合計約4.6億tceとする。

 民生目標:1人当たり平均の年間エネルギー消費量を2.9tce、1人当たり平均年間電力使用量を4,300kWhとし、それぞれ2010年比で前者は20%、後者は30%引き上げる。

 徐錠明氏は、「以上の目標値についてはさらなる論証が必要。最終的には正式に公布されることになる第12次5ヵ年エネルギー発展規画を基準とする」と表明した。

 但し、徐錠明氏は、各地の実際のエネルギー消費量を合計すると、第12次5ヵ年規画期のエネルギー総消費量は抑制目標を上回る恐れもあるとして、懸念を表明した。徐錠明氏の分析によると、過去5年間で中国のエネルギー消費量は年平均1.68億tce増加した。このペースで推移すれば、第12次5ヵ年規画期末には中国の一次エネルギー総消費量は40億tceを超えることになる。現在、各地の政府部門は第12次5ヵ年規画を策定中であるが、いずこも発展への意気込みは極めて高い。「もし各地の実際のエネルギー消費量を合計すると、エネルギー総消費量は50億tceを超えるだろう。このような消費モデルが継続し難いことは間違いない」と、徐錠明氏は述べた。

 (第一財経日報 9月6日)