石炭消費のピークを迎える10月、全国石炭市場の取引が活発に展開され、一般炭の取引価格が再び上昇した。中でも山西省大同地区の高品質一般炭の出荷価格は前の月より15元高い295元/tとなった。上海及び寧波港の入荷価格は580〜590元/tとなり、前月比20元前後の上昇となった。広州地区の価格は610〜620元/tに達した。 石炭価格の上昇が続く原因として、以下に述べるいくつかの側面が考えられる。 (1) 石炭産業の集中度が向上し、石炭生産の伸びが鈍化した。今年は石炭産業の全面的な統廃合が進み、小炭鉱約1万ヵ所の閉鎖が計画されていたが、実際には上半期に9,075ヵ所が閉鎖された。そのため、石炭生産の伸びが一定程度抑えられた。 (2) 石炭需要が急増した。1〜9月期に火力発電量は前年同期比16.7%、セメント生産量は15%、鋼材生産量は24%、化学肥料生産量は13.8%増加した。この4つの分野の石炭消費は国内総消費量の80%以上を占め、生産量の伸びが石炭需要の著しい拡大をもたらした。また、第4四半期は石炭消費シーズンに入って、石炭需要がますます増加しており、伸びもより一層上昇する可能性がある。 (3) 石炭資源有償使用制度の改革によって石炭生産コストが大幅に増加した。今年に入ってから、石炭資源税の引き上げ、安全生産専門費の増額、環境管理回復保証金や炭鉱転産持続可能発展基金の設立など石炭資源有償使用制度の改革が進められており、石炭採掘資源コスト、安全コストや輸送コストなどが石炭コストに算入されるようになった。例えば、1〜10月の山西省の国有重点炭鉱の1トン当たりの生産コストは前年同期比21.5%増の185.46億元となっている。 (4) 鉄道輸送力が逼迫している。鉄道輸送力の逼迫が石炭供給を制約する基本構造は第4四半期も変わりがない。特に山西、陝西、寧夏等は鉄道輸送の制約が大きく、このため、販売地区の石炭価格上昇をもたらしている。 (5) 国際市場の石炭価格上昇が影響している。背景には国際原油価格の上昇や北半球が冬季に入り石炭を備蓄していることがある。今後数ヶ月、国際市場の石炭価格は依然堅調であり、国内の石炭価格を押し上げることになろう。 (商務部ウェブサイト 11月9日)
石炭消費のピークを迎える10月、全国石炭市場の取引が活発に展開され、一般炭の取引価格が再び上昇した。中でも山西省大同地区の高品質一般炭の出荷価格は前の月より15元高い295元/tとなった。上海及び寧波港の入荷価格は580〜590元/tとなり、前月比20元前後の上昇となった。広州地区の価格は610〜620元/tに達した。
石炭価格の上昇が続く原因として、以下に述べるいくつかの側面が考えられる。
(1) 石炭産業の集中度が向上し、石炭生産の伸びが鈍化した。今年は石炭産業の全面的な統廃合が進み、小炭鉱約1万ヵ所の閉鎖が計画されていたが、実際には上半期に9,075ヵ所が閉鎖された。そのため、石炭生産の伸びが一定程度抑えられた。
(2) 石炭需要が急増した。1〜9月期に火力発電量は前年同期比16.7%、セメント生産量は15%、鋼材生産量は24%、化学肥料生産量は13.8%増加した。この4つの分野の石炭消費は国内総消費量の80%以上を占め、生産量の伸びが石炭需要の著しい拡大をもたらした。また、第4四半期は石炭消費シーズンに入って、石炭需要がますます増加しており、伸びもより一層上昇する可能性がある。
(3) 石炭資源有償使用制度の改革によって石炭生産コストが大幅に増加した。今年に入ってから、石炭資源税の引き上げ、安全生産専門費の増額、環境管理回復保証金や炭鉱転産持続可能発展基金の設立など石炭資源有償使用制度の改革が進められており、石炭採掘資源コスト、安全コストや輸送コストなどが石炭コストに算入されるようになった。例えば、1〜10月の山西省の国有重点炭鉱の1トン当たりの生産コストは前年同期比21.5%増の185.46億元となっている。
(4) 鉄道輸送力が逼迫している。鉄道輸送力の逼迫が石炭供給を制約する基本構造は第4四半期も変わりがない。特に山西、陝西、寧夏等は鉄道輸送の制約が大きく、このため、販売地区の石炭価格上昇をもたらしている。
(5) 国際市場の石炭価格上昇が影響している。背景には国際原油価格の上昇や北半球が冬季に入り石炭を備蓄していることがある。今後数ヶ月、国際市場の石炭価格は依然堅調であり、国内の石炭価格を押し上げることになろう。
(商務部ウェブサイト 11月9日)