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アジア
【石炭】

南アからインドへの石炭輸出が急増 欧州の石炭輸入価格が上昇 (2007/11/27)
2007/11/27
アジア【石炭】

 世界最大の石炭輸出港であるリチャード・ベイからインドへの石炭輸出が大幅に増加し、欧州の石炭輸入価格の高騰を招いている。

 リチャード・ベイからインドへの石炭輸出は、昨年わずか30万トンであったが、今年1〜10月は730万トンに上った。年末までにさらに200万トン増えるだろう。南ア、オーストラリア及び欧州の石炭価格はこのところ過去最高値を記録している。需要が堅調なことと、輸出国の鉄道や港湾など輸送力の制約、国際海運費の高騰などが石炭価格上昇の主な原因となっている。

 インドは2008〜2012年の5ヵ年計画期に発電能力を78,755MW増やすよう計画しているが、その大部分は石炭火力発電所である。そのため、インドの石炭需要が大幅に拡大することは避けられない。インドだけでなく、日韓両国のリチャード・ベイからの輸入も急増している。日韓両国の昨年のリチャード・ベイからの輸入量はほとんどゼロであったが、今年に入ってから、それぞれ30万トン輸入している。

 2006年のリチャード・ベイからの石炭輸出は合計6,650万トン、欧州が輸入する一般炭の3分の1余りがこの港から運ばれている。今年1〜10月のリチャード・ベイの石炭輸出量は5,380万トンで、基本的に横ばいである。そのため、アジア太平洋地区への石炭輸出が増加する一方で、南アから欧州への石炭輸出が大幅に低下し、欧州の石炭価格の上昇傾向を激化させているのである。また、これに伴い、米国から欧州への石炭輸出も増加している。米国の石炭企業3大手はいずれも今年の米国の欧州向け石炭輸出量は過去20年で最大になると見ている。

 (中国能源網 11月27日)