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中国
【石油・天然ガス】

国際石油価格動向を左右する中国ファクター (12/06/27)
2012/7/5
中国【石油・天然ガス】

 シリアによるトルコ軍戦闘機撃墜のニュースは石油価格を押し上げたものの、長期的に見ると、石油価格は依然として下落傾向が続くようである。3月以来、石油価格は約3割下がり、石油の過剰生産が石油価格のさらなる下落をもたらすことになる。一方、世界経済も懸念を引き起こしている。

米国の「フォーブス」誌によると、ユーロ圏が災厄を迎え、米国経済の復興も停滞に陥っている。しかし、石油価格に未だ完全に反映されていない問題がある。それは世界最大の途上国である中国である。

 国家統計局によると、中国の第1四半期の成長率は8.1%であったが、大方の予想では、中国経済は第3四半期に成長が加速される。アナリストは中国が今年の世界の繁栄に貢献する主体になるとの予想を示している。

 このことは当然ながら石油市場にとって重要である。中国の5月期の石油消費量は1日当たり940万バレルであり、これは世界の1日の需要量8,990万バレルのうち、ほぼ10分の1に当たる。

 楽観的な見方によると、中国の石油消費量は目下上昇しつつある。しかしながら、Platts社によると、中国の5月期の石油需要量は、前年同月比ではわずか0.5%上昇したに過ぎない。石油需要の伸び率の低迷は世界第2の経済大国が困難に直面していることを物語る。経済の一層の鈍化に伴って、中国の石油需要も必然的に低下する。但し、それでも、中国の石油調達を支える2大ファクターがある。

 第1に、中国は引き続き戦略石油備蓄を拡大させる。中国の石油備蓄規模は最終的に7億バレルになるが、現時点で完成しているのはその6分の1に過ぎない。つまり、中国は今後も極めて長期にわたって石油の調達を続けることになる。但し、世界的な石油の供給過剰情勢が持続する場合、中国は最終的に備蓄を増やし続ける必要はないと考える可能性もある。

 第2に、中国は国有石油公司の長期石油調達計画に依存しているため、需要が下がった時にも石油調達を減らすことが出来ない。中国は石油セキュリティを確保するために高価格で石油を調達することになる。このような戦略は最終的に中国経済に負担をもたらす。

 近年、中国の需要家が石油価格を押し上げているが、遠からず石油価格の下落を促すようになろう。

 (参考消息網 6月27日)