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中国
【新エネルギー】

エネルギー草による「グリーン油田」に大きな期待 (12/07/11)
2012/7/19
中国【新エネルギー】

 広西農墾明陽生化集団の農業モデルパークにおいて牧草系エネルギー草の試験栽培が成功した。牧草は0.4mの高さに達している。

 エネルギー草は極めて大きなポテンシャルを有するエネルギー植物である。繊維質に富み、発芽力が強く、痩せた土地にも耐え、乾燥物質の産量が大きい。生化学的方法によってエタノール、バイオディーゼル、メタンガス、水素ガス等の高カロリーエネルギーを得ることが出来るとともに、直接燃焼やガス化技術によって熱供給や発電等に利用することも出来る。広西農墾明陽生化集団の技術員によると、牧草を利用するバイオマスエネルギー生産はまだプロスペクティブスタディの段階に止まっているが、科学研究の結果、エネルギー草はバイオマスエネルギーとして、温室効果と環境汚染の減少に効果があることが明らかになっている。

 北京草業環境研究発展センターの左海濤研究員によると、エネルギー草は新興エネルギー植物として最も期待され、最も発展の展望が広がっているバイオマスエネルギーの一つである。エネルギー草の開発と利用の見通しはバイオマスエネルギー転換利用技術の発展にかかっているが、近年この種の技術が大きな進歩を遂げたことによって、問題は次第に解決されつつある。左海濤研究員は、中国は土地が広大であり、草本植物の種類が多く、特に野生草本植物の種類が極めて多いことから、既存の研究を基礎に幅広く詳細なエネルギー草資源の調査を進め、エネルギー草の今後の研究と利用のために基盤を固めるべきであると提言する。

 某専門家によると、未利用の荒地や傾斜地は全国に5,700万ヘクタールあり、砂漠化した土地も1.7億ヘクタールに上る。その中の10%の面積にエネルギー草の作付けを行った場合、1ヘクタール当たりの干草生産量を年60〜100トンとして試算すると、年産7〜12億トンの石炭に相当することになる。石元春院士は次のように述べた。経済発展に伴い環境圧力が絶えず増大している中、農林廃棄バイオマスや低質地の利用によってエネルギーや化学植物を生産し高付加価値製品を生み出すバイオマス経済がすでに水面に浮上している。田野にバイオマスエネルギーを作付け、広大な土地を「グリーン油田」に変えることは、化石エネルギー危機を解決する上で重要な策になる。

 (中国化工報 7月11日)