10月の中国の石炭輸入量は引き続き減少し、1〜10月の石炭輸入は2.2億トン、前年同期比33.5％の増加となった。平均輸入価格はトン当たり103.3ドル。一方、石炭輸出は減少傾向を示した。今年1〜8月の石炭輸入は1.85億トン、前年同期比46.3％増であった。

　10月は国際一般炭市場の弱含みが続き、特に高品位・高カロリー一般炭価格の下落幅が大きくなった。一方、インドネシアの一般炭と豪州の高灰分5,500kcal一般炭の下落幅は限定的なものになった。全体的に見て、川下の電力企業の需要については依然として楽観できない。同時に国際原料炭市場の反発傾向が持続し、価格の安定と回復が進み、上昇幅もやや大きくなった。下流の産業需要は若干回復し、特に中国の原料炭調達が増加し始めた。11月に入ると、石炭輸入量は回復し、自主発注も間もなく開始される。

　年末までは中国の石炭輸入に再増加の局面が生じ、国内取引の石炭需要は試練に直面することになる。国際石炭市場価格、特に中国市場向けのオーストラリア、インドネシア等の一般炭価格に著しい下落が生じ、石炭輸入の収益の余地が改めて顕著になった。国内の一般炭市場価格の安定化と冬季の石炭消費ピークの到来を考えると、輸入商が石炭輸入の意向を強めることは間違いない。一方、今年3〜4月、中国の各種石炭輸入商が当時の国際市場価格に基づいた「長期契約」や「年度」石炭輸入量を著しく増やしたが、その後の国内市場価格の大幅な下落によって深刻な赤字がもたらされた。これらの輸入量は、一部企業が「徹底した違約」により履行しなかったが、大多数の企業は履行の先延ばしを選択した。そして、11月と12月には石炭輸入の「履行のピーク」を迎えることになり、こうした事情によっても石炭輸入が増えることになる。

　（国際能源網 11月21日）